第7章 紅玉の嫁入り
「ところで、月ちゃん」
紅玉はことりと湯のみを置いた。
「そろそろ敬語はやめてちょうだい」
「うっ」
私は言葉に詰まった。
「だ、だって紅玉さん年上ですし、お姫さまですし、立場的に……」
「年なんて一つしか変わらないじゃない!ジュダルちゃんや白龍ちゃんにだって使ってないし……それにジュダルちゃんの方が年上よぉ」
「それはもう今更っていうか……私、臆病なんですよ」
「臆病?」
紅玉が聞き返した。私はもうどうにでもなれとこくりと頷いて話し出した。
「今までこんなに身分の高い人に会ったことなんてなかったし、そもそも身分というのに馴染みがなくて、どうしても雲の上の人って感じがしてしまって……で、でも!紅玉さんは!」
しっかりと紅玉の目を見つめて私は言った。
「今、目の前にいる、大切な友達だと思っています!それだけは誤解しないでください!!……というか、」
これって不敬罪になりませんよね?と私が聞くと、紅玉は耐えきれず吹き出した。
「それは大丈夫よぉ。そんなの私が許さないから。だから敬語も使わなくていいの。わかった?」
「……うん、わかった。今度から使わない。これでいい?」
私がそう言うと、紅玉はぱあっと顔を輝かせた。
「もちろんよ!ふふっ、私、ずっとこういう友達に憧れてたの!」
「じゃあ、私が友達第一号?」
「ええ、友達第一号よ」
ふたりで顔を見合わせて、悪戯が成功した子どものように笑った。