第6章 皇子と皇女
「お茶はどお?お茶請けもあるわよぉ」
なぜこんなことになっているのだろうか。
私は先程の女の子におもてなしされていた。
着いてきてちょうだいと言われて連れてこられたのは女の子の自室。一応男として働いている私を何の躊躇いもなく招き入れるのはどうかと思ったが、断ることもできず結局流されてしまった。
差し出されたお茶を飲まないわけにもいかず、そうっと口づける。お茶請けも勧められるままに口にした。
「おいしい?」
「は、はい。とても!」
「そお?よかったわぁ」
にこにこと女の子は笑った。やっぱり美少女だ。少し独特な話し方が気になるけれど。
「あなた、年はいくつ?」
「じゅ、十五になります」
「あら、じゃあ私よりひとつ下なのね。もう少し下かと思ったわぁ」
男装をするようになって、実際の年齢より下に見られるようになった。もともと普通に女顔なので当然といえば当然だ。
にこにこ、にこにこと女の子は表情を崩さない。しかし、そわそわと手が動いているのに私は気づいた。
「自己紹介がまだだったわね。私は第八皇女の練紅玉よ。あなたのお名前は?」
「月と申します」
「そう、月ちゃんね」
最初にも思ったが、まさかの『ちゃん』付け。私はともかく、ジュダルにまで『ちゃん』付けをするとは恐れ入る。