第4章 修行と迷宮
ジュダルが何者なのか、私は知らない。
迷宮を攻略するときに、『マギ』だというのは聞いた。
『マギ』は世界に三人だけいる、魔導師の最高峰たる魔法使い。王を選び、迷宮を出現させ、ジンの力を与える存在。そのために創世の魔法使いと言われることもあるようだ。
しかし、いくらマギといっても、誰か後ろ盾がいるはずである。
ジュダルは教養があるし、着ている服もシンプルながら生地は良いものが使われている。首や腕につけている装飾品は明らかに金製だ。それに魔法の絨毯なんてものも持っている。
身分が高い、ということだけはわかる。
また、私のところへ来るときは人目をはばかってターバンを巻き、外套を着てくる。目立たないように、ということもあるかもしれないが、それよりも何かから隠れるためという感じがした。
私の気のせいかもしれないけれど。
人生少々波乱なくらいがいいというのが私の持論だが、私の生活はとうに『少々』というレベルを超えている。
それでも今は、平穏で充実していた。
それが嵐の前の静けさだと、私は気づかぬフリをして、今では日常となった日々を過ごすのだ。