第4章 修行と迷宮
最近は『シンドバッドの冒険書』というどこかで聞いたような冒険物語がお気に入りだ。何でも“七海の覇王”と呼ばれるシンドバッド王が自らの体験を元にした小説らしい。巻数が多く読み応えがあり、世界観を知ることができるので、とても重宝している。
流石に王の懐刀である政務官が火を噴いたところには驚いたけれど。
何でもありなんだなとジュダルに『シンドバッドの冒険書』を見せたら、渋い顔と「あんまり鵜呑みにしねえ方がいいぞ」という言葉をもらった。一緒に過ごして、(本人は心外かもしれないが)意外にジュダルは常識人だということがわかった。本人には言わない。まだ死にたくないし。
あと、ジュダルのことでわかったことは、彼は案外寂しがり屋だということだ。
ある日を境に、私が寝るときジュダルはベッドに潜り込んできて、私を抱き枕のようにして眠るようになった。別に色事のような雰囲気はなく、ただの添い寝のようなものだ。最初に朝起きて、ジュダルが目の前にいたときはびっくりしたものだった。朝までいたのはその日だけで、それからは私が目を覚ます頃にはもういなくて、恐らく夜のうちに帰っているのだろう。