第4章 修行と迷宮
「マギよ」
煌帝国の城内をふらふらと歩いていたら、組織の神官の一人に声をかけられた。
「なんだよ」
「近頃ここで姿を見かけないものだからな。どこに行っている?」
やはり俺が毎度毎度抜け出していたのに気づいていたらしい。とりあえず当たり障りがないように答える。
「別に。暇だから外でうろうろしてるだけだよ。騒ぎとか起こしてねーだろ」
俺の答えには何も言わず、じっと見つめてくる。顔を布で隠しているものだから目は見えない。真意をつかめない。
「役目を忘れるなよ」
最後にそれだけを言い残し、そいつは去っていった。
そいつが完全にいなくなったのを確認して、俺はらしくもなく溜め息をついた。
組織からルシアのことを今まで隠してきたが、それももう難しいだろう。
「こうなったら、いっそ手元に置いとくかぁ……」
俺の近くに置いておけば組織の親父どもも手を出しにくいだろうし、そろそろ魔力操作を覚えさせたいと思っていた。
白龍にでも押し付けておけば、面倒見のいいあいつのことだ、それなりに良くしてくれるだろう。
しかもわざわざ絨毯で砂漠を越える必要もなくなる。これぞ一石二鳥だろう。
俺は無意識に口角を吊り上げて、これからのことに思いを馳せた。