第3章 新しい生活
「ねむい」
ルシアは余程眠いのか、目をとろんとさせていた。
「ねみーなら寝りゃいいじゃん」
「ジュダルはどうすんの?帰んの?」
もうすっかり夜の帳は下りきって、大概の家は寝静まっている。コイツが起きていたのは勉強のためで、それも一段落ついたのだろう。
俺はといえば、何をするまでもなくぼーっとしていた。勉強を強要しているのは俺だが、迷宮攻略に必要だと思ったからだ。
迷宮なんてほとんど力が頼りなのだから、トラン語が読めれば後は別にどうだっていい。
しかしコイツの身体能力はてんで駄目だった。並み以下だ。まず体力がない。女ってのもあるかもしれないが、ひょろひょろだし力も弱い。おまけに武器の扱いも知らない。
鍛えれば多少底上げできるだろうが、それにだって限界がある。
こうなれば、他に頼ることができるのは知識だけだろう。
そういうわけでの勉強だったが、俺がわざわざ教えるつもりはない。
面倒だし。だいたい、こんな面倒なことするハメになったのはコイツのせいだし。
迷宮を攻略できないまま死んだとしたらしたらで、所詮この程度だったというわけだ。
俺が好きなのは強い奴であって、弱い奴に興味はない。