第3章 新しい生活
「おい、行くぞ」
そう言ってジュダルは突然私を連れ出した。
「どこに行くの?」
「市場。いろいろ必要だろ」
確かに、現在私は無一文で何も持っていない。がしかし、
「お金は?」
「持ってるよ。いいから黙って着いてこい」
いやいやいや、何で私は見知らぬ人の世話になっているのだろうか。
最初にこの人と会って、いつの間にか意識を失ってて、目が覚めたらベッドに寝かされていた。
それで一応名乗って、少し話して、食べ物をくれて、しばらく寝て過ごしていたところにこれだ。
物凄く今更だが、なぜここまでしてくれるのか。
こちらは平和ボケした生粋の日本人だが、何が一番怖いのかは知っている。
ーータダより怖いものはない。
対価に何を要求されるか、知れたものではない。しかし他に頼れる人がいるわけでもなくて。
ジュダルの後ろを歩きながら私は悶々と考えた。
結局出た結論は、毒を食わば皿まで。仕方ない、頼ってしまおう。
私は覚悟を決めた。これから生きる覚悟を。
「おい、もたもたすんな。はぐれるぞ」
その言葉で、私はジュダルの隣りに並んだ。