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安土引手茶屋

第3章 石田治部少輔三成の病



石田三成 編


〜石田治部少輔三成の病〜


遠くに三成君を見つけた

武器庫の点検をしている様だ

穏やかで気品あふれる笑顔を放つその人物に心を許さない女が居るだろうか?

(そっと近づいて脅かしちゃおう……イヒヒ)

もう少しで手が届く所で、三成が積み上げた武具につまずく

ガシャガシャ、カラカラ
大きな音とともに武具が散らばり散乱する
何かがコロコロと の足元に転がってきた

「大丈夫? はいどうぞ三成君。」
黒い大砲の球を両手で持ち上げて渡した

「ありがとうございます、様。キレイな手が汚れてしまいましたね、申し訳ございません。」

ああぁ、まぶしい。その笑顔は罪だよ

「重たく無いですか?」

「そんなに重くないよ……ていうか、イイくらいの重さかも!これ借りてもいい ?」

何かを企む薄笑いを浮かべた



秀吉は信長様にお届けする書簡を持って 廊下を歩いていた

最近は戦も無く平和だなぁっと上機嫌で廊下の角を曲がると

三角形に並べられた 10本のコケシを見つけ
不思議に思って立ち止まる

「秀吉さん危ない!」

ゴロゴロと大砲の弾が勢いよく廊下を転がってきた

「うぉおおおお、アイタッ」

転がった大砲は秀吉の足を足を直撃した

「ごめんなさい、秀吉さん!」

コケシが散乱するなか秀吉がうずくまる

「コラァ、またお前か!」

は三成の手を引いて走りだした
「逃げよう!」

「コラッ、廊下は走るなっ。ていうかこれ片付けろ」


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