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安土引手茶屋

第1章 珠光小茄子の茶器・ 家康


1週間が過ぎて茶会の日がきた
なんとか一通りの作法は教え込んだ

ただ家康は朝からニヤニヤしているが
何かを企んでいるようで気が気ではなかった

「ねぇ 砂糖みたいな甘いものが欲しいんだけど、 どこにあるかな ?」

緊張して甘いものが欲しくなったんだろうと思い 、台所に 秀吉さんが隠してある金平糖の場所を教えてやった


茶室に入ると、は 茶釜の横に座り みんなを出迎えた

茶器をひとつずつ確認し 綺麗な所作でお茶の準備を始める

信長は今日の為に最近手に入れた珠光小茄子を用意させていた
城が買える程の価値がある茶器である

は家康に習った通り進めて行く
今のところ何の問題もない

あとは茶を立てるだけ、という時で奥に隠してあった竹筒から白い液体を 茶碗の中に入れた

(朝早くに市場で買ってきた新鮮な豆乳。
美味しくて、皆びっくりするだろうなぁ)

そして、その隣にあった 小瓶の中から金平糖を3つつまんで何と 茶碗の中に入れ

そして、茶を点て始めた

「「「「「「 ……………… 」」」」」

みんなはの不可解な行動をぽかんと口を開けてただじっと見ていた

茶を点て終えると自慢気にお茶を信長の前に差し出した

「はいどうぞ。抹茶ラテです。ウフフっ。
美味しいですよ、お召し上がりください 」

「……」


信長が 刀に手を伸ばす
「 家康、貴様何を教えた ……」

秀吉が急いで信長を止める
「逃げろ !」

家康がの手を掴んで、茶室から走って逃げ出した


茶会から、慌てて出てくる二人の姿を見かけた家康の家臣はビックリした。

の手を繋いで走る家康は、楽しそうに笑っていたのだ


     The End

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