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【鬼滅の刃】短編集

第2章 🔥さんと


あの日は何故かとても嫌な予感がした。彼が何処か遠くに行ってしまうようなそんな感覚。でも彼は鬼殺隊の柱であり、任務を止める権限など私にはない。だから彼が帰ってきて直ぐに休めるよう完璧に掃除をし、彼の好きなさつま芋を使った料理を作った。早く帰ってこないかなと彼を待っていたが眠気が襲ってきてどうやら私は寝てしまったらしい。そんな時ドタドタととの外から誰かが走ってきたような音が聞こえる杏寿郎さんかと思い戸を開けるとそこには涙でぐちゃぐちゃになった顔をした千寿郎くんがいた。

「あ、姉上っ!!」
「どうしたの?何処か痛い?」
「あ、兄上が、兄上がっ!」
「なあに、また怪我でもしたの?」

その単語を聞いた時目の前が真っ暗になってしまった。目が覚めると布団の上で隣には千寿郎くんが目を真っ赤に腫らして座っていた。

「私……」
「姉上っ!」
「ごめんね、急に倒れたりして」

見れなかった、彼の顔を見ると先程聞いたことが本当であるような気がして、それを認めなければならない気がして私は俯くことしか出来ない。

「兄上は、」
「いやっ!や、めて……」
「……僕は少し外に出ていますね」

そう言い戸から出ていく千寿郎くん。彼が出ていくと緊張の糸が切れたのかボロボロと涙が溢れだした。

「ど、して…どし、てっ!きょ、じゅろさっ!」

帰ってくると言ったのに、また私の頭を撫でてくれると思ったのに。悲しくて悲しくて涙が溢れて布団にどんどん染みをつくっていく。もうこの家に彼が帰ってくることはないのだと認めたくなかった、だが鎹鴉が千寿郎くんに言ったことは本当であろう。彼との未来はもう二度と訪れないことに気づいてしまったことに私の目の前らまた真っ暗になってしまった。
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