第10章 懐かしい絵本と公園で見る夢
美奈子
「葵くん、今日は一日よろしくねー」
「うっ?
ぁあーーっ」
キャッ キャッ
まるで、こちらこそ
よろしくと言わんばかりの笑顔と返事
美奈子
「ふふっ♪可愛いなぁー」
葵を抱きながら
手渡された荷物を確認していくーーー
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美奈子
「音が鳴るおもちゃに…絵本かぁ…
ミルク、着替え、オムツ、おしりふき…」
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何かに手をのばす葵
「あーぁー…あ~~」
絵本だったーーー
美奈子
「これって…あの絵本?
懐かしい…」
感傷にひたっていると…
葵が
「だっ…う~~…ぁあ♪」
早く読んでと訴えているような
美奈子
「ちゃんと読んであげるから…」
むかし珪や祖父に
何度も読んでもらったことを
思い出しながらページをめくる…
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”むかしむかし、
ひとりの王子様が旅をしていました”
”旅の途中、ある国で、
道に迷った時のこと……”
”王子は森の中で教会で、
美しい姫と出会いました。”
”なんと美しい姫だろう。
王子は一目で姫を好きになりました。”
”ふたりは毎日森の教会で会い、
やがて深く愛し合うようになりました…”
”ところがそのことを聞いた、
この国の王は
たいへん腹を立ててしまいました。”
”我が娘をたぶらかす者は誰か?
すぐに捕らえよ!”
”王は王子を捕らえると
こう言いました。”
”旅の王子よ、
そなたは姫を好いているというが
その言葉に偽りはないか?”
”姫は私の心の幸い
姫の愛さえあれば、いかなる試練も
喜びに変えることが出来ます。”
”ならばはるか遠く、
この世の果ての外国へ旅立つが良い”
”無事戻ることが叶えば、
その時、そなたの言葉を信じよう”
”こうして王は遠い国へ
王子を追放してしまうのでした……。”