第25章 学校8
「えっと…はい。」
「君たち、何か用事?」
美奈子を背中に隠すように、
警戒する琉夏。
「桜井先輩には、用事はないんですっ!」
「私たちは、美奈子さんに用事があるんです!」
興奮状態の下級生達に優しく声をかける美奈子
「なにかな?用事って?」
「はい、実はーーー」
下級生達の話しはこうだ。
学園の王子様と言われる花椿カレンが虜になっている人物がおり、バンビと命名したことや、新入生代表挨拶や見た目、性格など調査し先日のナンパ男をカレンが見事に撃退した人物が同一人物であるため、「これは姫様と呼ぶべきでは!」と親衛隊の会議があったそう。
「それに…」
「それに??」
チラっと琉夏を見る下級生たち。
「あの凶暴な桜井兄弟を手懐けられる方を、姫様と言わないと失礼なんです! フン٩(๑`^´๑)」
………
「…手懐けるって(笑)」
琉夏が笑いをこらいきれない様子。
ちょっと困惑しながらも美奈子は、
「琉夏くんたちとは、幼馴染みでーーー」
「だからこそ、姫様と呼ばせて頂きたいとお願いに参りました。」
「今日から、姫様とお呼びさせて頂きますっ!」
「失礼しましたっ!」
………
嵐が去ったような感覚の琉夏たち。
「ど、どうしよう>_<
わたし、お姫様って柄じゃないよ。」
「まっ、害は無さそうだし
いいんじゃないの?お姫様♪」
幼馴染み贔屓を抜いたとしても、見た目、性格、スタイル良し、成績優秀、人望もあるとわかっている琉夏は、「お姫様」表現が、あながち間違ってないと思うのであった。
この一見から、花椿カレン親衛隊からは
「お姫様」と呼ばれるようになった。
カレンたちの耳に入るも、
みよは「違和感ない。」
カレンは「さすが、私のバンビ♡」と嬉しそうにしていた。