【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第17章 海軍の侵入者
Side.Kuzan
「おいおい、ひでェ言いようじゃねえか。センゴクよォ」
「キシシシシ…クズとは言ってくれるじゃねェか。」
「まさか、それ妾に言っておるのではなかろうな?」
「クハハハ…お前にはぴったりじゃねェか、鳥野郎。」
「あ? 喧嘩売ってのか?ワニちゃんよぉ〜。」
「やめぬか、話が一向に進まぬ。」
「鷹の目の言う通りじゃ、ここは黙っとれ。」
“個性がたくさんあって大変よろしい”と言いたくなるほど、騒がしい。
「ふん…では、七武海会議を始める。」
センゴクさんがそう口火を切った時だった。
『ええ、はじめましょう。真実を見極め、悪を裁く裁判を』
窓の外から聞こえた声…少し低くなったのか懐かしい声。あれは俺がよく叱られていた、俺の隣でよく働いていた女の子の声。
「久しぶりじゃないの〜、アンちゃん」
窓を見るとそこには、自慢の長い髪を切り短くなった髪を揺らしながら窓枠に座っている女性。もうあの少女の姿などどこにも感じなかった。
『お久しぶりですね…みなさん。すごく残念そうな顔をなさってどうしたんですか?』
「おんどれ、よく顔を出せたもんじゃのぅ」
「ほんとにね〜、仲間殺しのアンちゃん〜?」
大将2人が殺気立っているのはすぐに分かった。
「アンッ!!どうにか生きておったのだな!」
『ハンコック…珍しいね。あなたが来るなんて。』
「其方に会いにきたのじゃ。」
『ありがとう…クス』
抱きしめてきたハンコックに笑みを送ると、少し頬を赤らめていた。
「茶番はいい。何をしにきた。ポートガス・D・アン」
『すべての真相を語りに…そして、死んでいった仲間の仇を打つため』
睨みつけたその先に座っている2人の中将は、少し冷や汗をかいているのかこちらを見ようとしない。
『ねぇ…もう終わりにしましょう。カージマス中将…ジェント中将…私はあなた達を許す事が出来ない。』
「フッフッフッ…いい女になったなァ、アンちゃんよォ。いいぜ、その目ッ!復讐に染まっていい目だ!」
「黙れ、変態…」
「何を語りにきたと言うのだ、今更ッ!」
『私は2週間ほど前、海軍宛に1つの小包を送りました。受け取っていただけましたか?センゴクさん。』
「あァ…」
『あれは、ラック軍曹たちが必死に集めてくれた、大事な証拠たちです。』