【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第99章 開国の戦
「ッはぁはぁ」
『イゾウッ…』
ふらつくイゾウをよく見ると傷が多く息も荒い。
『ッこのままじゃ』
「……ッやめろよ、アン」
「指銃」
『させない!!!』
「まて!マハ!!!」
『水薙刀、武装色硬化』
指銃で近づいてくるその男の首を狙い大きく薙刀を振りかざした。
『家族をこれ以上傷つけるのは許さないッ!!!』
どさりと落ちる首にもう一人の男が小さく「マハ…」と呟いていたのが聞こえた。
「ッハァ…やめろ、アン…その技を使うんじゃねェ」
『今、助けられる命を見捨てることは私にはできないよ。で、どうするの?もう一人のCP0さん、まだやる?』
「くっ…違う指示が入ったので失礼させてもらう」
そう言って消えた気配をいちいち追うほど私は暇ではない。
「やめてくれ…」
『ね、止めないって約束でしょ?』
手の上に緑の玉をイゾウは動けない体で拒否をしていた。
『癒しの涙』
「ッくそ!」
小さな玉はイゾウの体に溶けるように吸収されていった。すーっと消える傷跡に安心が持てた。
『よかった…ッ』
チクリとお腹が痛んだ気がした。もしかしたらこの力はお腹の子にも影響があるのかもしれない。
「どうした!」
『ッいや…なんにもない』
「…ったくお前さんは。」
『ッあ、ちょっと!!』
「サッチから聞いてるさ、能力使用後はぐったりしていることが多いってな」
急にお姫様抱っこされて何事かと思ったけど、どうやらサッチに先手を打たれていたようで少し悔しい。
「さ、旦那に見つからないうちに行くか。」
『違う違う、逆に見つけるために行くのよ』
「冗談さね」
まだ戦いが続いてる音が聞こえているのに、こんなにも落ち着いて話ができる空間があることに落ち着く。
『そういえばエースも来てるんだけど…』
「そのうちどっかで会うだろう?それよりも確認してェことがあるんだ」
『エースは自分でなんとかできるだろうし、イゾウの方に行こうか』
「助かる、ついでにマルコも探すか」
『怒られるよ、ついでって』
イゾウは私を抱えたままどこかへ進んで行った。
ーーー
izou side
俺もここまでかと諦めかけた。おでん様に報いることができただろうか、菊は無事に逃げただろうか。そんなことを考えながら目の前の敵を相手にし死ぬ覚悟を決めた、だが助けられ生きている、まだ戦える。
「菊…」