【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第11章 正義とは
「右舷方向に島を確認しました!」
双眼鏡をのぞいていた部下に帆をたたむように指示を出す。
すると即座に少数ではあるが皆が動き出しすぐに帆がたたまれた。
足元に力を込めると、波はチャプチャプと動き出しゆっくりと船を運ぶ。
『あと数分で着くわ…着陸の準備を。』
「「「はっ!!!」」」
バタバタと動き出す船の中で私は静かに島を眺めていた。島は緑に囲まれており、のどかな雰囲気の街がある。そして、大きくそびえる海軍と書かれた軍要塞。
『あれが…』
「海軍の方に向かいます。要塞の司令官はジェント中将です。
ご挨拶されますか?」
『うん…まぁ、一応本部からの臨時派遣だし…電話しておいて。』
「はっ!」
島に着くまでの数十分、私はその場を動かなかった。
「おい、本部から臨時派遣の中将が来るらしい」
「何をしにきたんだ?」
「噂をかき消しにだろ?」
「でも、本当の話なんだろ?」
「ほら、街でみんな言ってる。」
「「海賊にプライドまで売ったのか」」
「到着しました!」
『ええ…』
身支度を整えて、軍曹以下数名を連れて海軍要塞へ向かった。
「おい海軍だ…」「早く中に入れ」「何も起こしてくれるなよ」
町の島民からは偉く嫌われているようだ。私たちの姿を見るや否やすぐに家の中へ戻っていく。
「アン中将…」
『ええ…言いたいことはわかってる。こんなことが早くなくなるように尽くしましょう。』
しばらく歩くと目的の場所にはついた。見張りの海兵に連絡を入れてもらい、入り口で待っていると仰々しく歩いてくる団体があった。
「これはこれは…本部からご苦労様です。大将付き補佐官のポートガス中将」
『アンで結構よ。はじめましてジェント中将。自己紹介はいらないようね…しばらくお世話になります。』
「どうぞどうぞ、ごゆっくりなさってください。」
ジェント中将はニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべ、かかとを翻し帰っていた。
「妙な中将ですね。」
『そうね…では、手分けして黒電伝虫を配置、海賊の横領やらの証拠を探してください。』コソ
「「「はい!!」」」
まずは資料庫を見に行こう。
『あの…資料庫はどこに?』
「な、なんでそのような所に?」
『ちょっと、調べたいことがあって…』
少し上目遣いをすれば、男はすぐに案内してくれた。