【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第10章 裏切り
「そこでだ…君の少数部隊を連れて、その街を鎮圧し、海軍の恥さらしどもを捕らえてきてほしい。」
『…もちろんです。』
「我々は絶対的な正義を掲げている。それを何者も侵させてはならない。頼むぞ。アン中将。」
『はい!!』
センゴクさんの命令を聞き、少し苛立ちが出た。
おじいちゃんやおつるさんは何十年と海軍や市民のために戦い正義を掲げて守ってきた。それをきたばかりの新参者や、海軍の上層が汚職をして汚すなんて…許さない。
私はすぐにラック軍曹と以下数名を連れて船に乗り、リースアル島に向かった。
Side.Sengoku
「いいのかい、センゴク。」
「なんだ、おつるちゃん。」
「あのこと言わなくて…」
「あァ、実は容疑者の中に君がいる…か?」
「あァ…上層部はあの子を疑ってる。あの一件もあったからね」
「だから、敢えて行かせたんだ。これは賭けなんだ。彼女が俺たちのもとに戻ってくるか、悪党と成り下がるか。」
「それがどんな結果になっても後悔はしないんだね。」
「もちろんだ。これは全て正義のためだ。」
センゴクは神妙な面持ちで下を見ると、机に乱雑に置かれていた資料に目を通した。
[海軍内部で揉め事あり。汚職、海賊に情報を売る者あり。
内通者候補…
ランク・カージマス
ジャシャル・ラスカルト
アーリアス・ユリアム
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ポートガス・D・アン]
「あの子がまさかとは思っているが…万が一のために別働隊も置いてある。」
「ふッ…ガープが知ったらなんていうか。」
「問題ないだろう。あいつは今頃執務室で寝てるだろう」
「そうだね。」
「我々は事の真実を見極めなければならないんだ。」
「そうだね。」
何度目を通しても消えない名前…そんなことはないと思っている。
我々に反抗するなんてことはないと…。
どうか無事に帰ってきてくれ…その願いが風に乗って届くことを祈っていた。
ただこの時だけは…どうしようもなかった。