【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第10章 裏切り
「青キジさんがいないから、顔が拝める!!」
「いつもいたもんな、あの人。」
「絶対狙ってる!」
見聞色の覇気を使えば話の中身など筒抜けなのだ。
青キジさんが私のことを狙ってる??いやいやいや、あの人はからかってるだけだから。
「アン中将…何考えてるんですか?」
『いや…青キジさんって人からかって遊ぶの好きだなァって』
「は??(本気で言ってんのか?)」
『え? あ、それはそうと…ここからここまで黄猿さんに、ここからは赤犬さん。私はセンゴクさんに持っていくからよろしく。』
「は、はい。(青キジさんの数倍早い書類捌き…)」
私はセンゴクさんの分とおじいちゃん、おつるさんの分を持ち、執務室を後にした。
廊下を歩いていると所々から視線を感じる。
その上、曲がり角等で人に会うたび…
「アン中将、お疲れ様です!!持っていきましょうか?」
『いいえ、結構よ。』
というやりとりをかれこれ10回目だ。なんの嫌がらせだろうか。
センゴクさんの部屋は元帥執務室なだけあって、結構な距離を歩く。その途中をこんなに妨げられたことは今までない。
『はぁ…めんどくさい。』
一声かけて、執務室に入るとセンゴクさんがすごく眉間にシワを寄せてこちらを見ていた。
『青キジさんのところから書類をお持ちしました。』
「噂をすればなんとやらだな。おつるちゃん」
「そうだね…この件はこの子に頼むのもいいかもしれないね。」
「ガープに知られれば断るからな、直接話すのがいいと思ってたんだ。ちょうどいいところに来た」
『え、あの話が…』
「いいから、そこにかけなさい。ちょうど呼ぼうと思っていたんだ。」
「ほら、ここにかけな。その書類は預かるよ」
『あ、ありがとうございます。』
元帥の机の前に置かれた椅子に座る…あれ、なんかデジャブ。
「そう警戒するな。今回は仕事の話だ。」
『はい…』
「近くにあるリースアル島を知ってるかい?」
『え、はい。あの海軍が戦力を拡大してる国がある島ですよね。』
「そうなんだ…戦力を拡大しているのはいいが。今現在どうやら、士気が下がっていると連絡が来てな。その理由が上層部の横領やら海賊に金を渡していると報告があってな。」
『確かなんですか。』
「あァ、だが、大将や有名なガープが出ると町全体が壊滅の恐れがある。」