【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第49章 まずは一歩ずつ
「アンッ、お前からもなんか言ってくれ!」
あまりの騒音に目を覚ますとそこにいたのは、エース(頭にタンコブが2つほどある)、般若の顔のマルコ、扉で挨拶してくるサッチ。
『…おはよ。』
「おう、なんか食えるか?」
サッチはいつものように陽気に話してくれる。
『うん…お腹すいた…』
「そうかい…んじゃ、なんか持ってくるわな。」
何も聞かなかった。これぞ大人な対応…。
「で、なんでこんなことになってんだよい?」
冷たい声を響かせたのはマルコ。様子を見るにきっとまた2人で眠ってしまったんだろう。
『…私がエースを引き込んだのよ。ごめんなさい。』
素直に謝ると、3度目に振り下ろされそうになっていた拳は下された。
「ったく…言ってんだろい?男を一人でも許可すると悪さをする輩も出てくんだよい。気をつけてくれよい」
『ん…でも、人肌がほしかったのよ。』
「それでもだ。」
マルコは般若からいつもの顔に戻っていた。
『次から気をつける。エースも部屋がぐちゃぐちゃだったの知ってたからここに連れてきてくれたんだし。』
「お前が悪いんだろい?」
『そうだけど…』
「…まぁ、なんだ…すまなかったねい。殴っちまって…よい」
マルコは少し目線を外しながら謝ってきた。
「おまっ!!アンを殴ったのか!?」
『痛かった…』
「す、すまねぇ…」
『でも、許してあげる…マルコなりの愛の鞭ってやつだもんね。』
「「なッ、何言ってんだッ/よい!!」」
2人は息を合わせて抗議してくるもんだから、笑ってしまう。
「おーい、和んだところで入っていいかい?」
『サッチ!』
トレーを片手に駆けつけてくれたサッチは温かいスープを持ってきてくれた。
「ほい、サッチ特製のスープ!5日も飲まず食わずだったんだから、まずは胃腸を起こしてやんねぇとな!」
『ありがとう…』
「俺も腹減った〜ッ!」
「お前は昼飯抜きだよい!」
「そんな〜ッ!!」
まだガミガミとお説教されているエースを横目にスープを一口飲むと体に染み渡っていく。
『ッおいしい!!』
「でしょ? 俺の特製だからね、今度からは食堂で待ってるからな」
『うん、心配かけてごめんね!』
サッチは笑顔で帰っていった。
「アンの部屋はすぐに直すように言っとくよい。」
『うん、ありがとうマルコ』