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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第49章 まずは一歩ずつ


俺が部屋を出た後、バタンと勢いよく扉を閉めた。

「親父、ドフラミンゴには許可とったよい」
「グララララ、そうかァ」
「後…もう一つ…アンのことでよい」
「ん?」

俺は親父に話をした。さっき電話で聞いた全てを。

ドフラミンゴと勝手に一人で交渉していたこと。
戦争時に攻撃してこなかったのはこれがあったからだったこと。
アンが引き換えに向こうのファミリーに期間限定で入ること。

親父は黙って聞いていたが、ピシピシと覇気が出ていた。

「グララ…俺たちァ、影で守られてたってかァ?」
「…そうみたいだねい」
「マルコ、アン…呼んでこい」

珍しく親父が笑わなかった。怒ってるんだろう。

部屋を出る時だった。ガシャンと大きな音が鳴り、物が壊れる音。
そして、アンの叫び声。

バタバタと廊下を走っていく兄弟たち。

「親父…アンは俺たちを裏切ったのかねい」
「グララララ…裏切る奴は家族を思うことなんてねェ。あいつァ、独りで生きすぎた。なんでもやらなきゃいけねェと思ってやがる。だから…仲間を信じられねェんだ。海軍のあの事件もトラウマになってんだろうよォ、グララ…まだまだ鼻ったれのガキだァ」

親父はそう言った。怒ってるわけじゃねぇのかい。
そう問うと、優しい笑みだけが帰ってきた。

アンにさっきの伝言を伝えるために部屋の前に行くと、ずらずらと兄弟たちがいやがる。

エース、サッチ、イゾウ、ハルタ、ビスタ、ナミュールその他もゾロゾロと見にきてやがる。

エースに関しちゃ…扉を燃やそうとしてアトモスやジョズに止められてる。

「マルコッ、アンが!!」
「あぁ…知ってるよい。」

俺は部屋の前に行くと扉越しに話しかけた。

「アンよい…親父には報告した。後で部屋来いよい。」

そう言って部屋をさろうとした時にサッチやらに事情を聞かれる。が俺は何も答えなかった。

「お前らも仕事しろい!!」
「おい、マルコッ!説明しろよ!」
「うるせぇよい!」

部屋のそばから追い払う様に集まってきていた奴らを蹴散らした。

「アンがイテェって泣いてんだ…俺にはわかる。あんなに暴れるなんて相当だ…こんなに心がイテェって…!」

エースは胸をぐっと押さえながら俺に抗議した。
でも、俺は頭を撫でてその場を後にした。
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