【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第49章 まずは一歩ずつ
数日経てば体調も良くなり、熱も下がっていた。
「よ、元気になったのか!」
「無理すんなよー」
通りかかる隊員たちに声をかけれる。
「アンよい…ちょっと隊長会議だ。出てくれ」
『はーい』
マルコが直接呼びにくるなんてきっとティーチのこともあるんだろう。そう思っていると、ドォンとまた聞こえてる大砲の音。
『はぁ…最近の海賊は親父様のマークも知らないの?』
「アン副隊長ッ!!敵船ですッ!旗印は最悪の世代のユースタス・キャプテン・キッドです!!」
『…はぁ…今から会議だってのに…今行く』
甲板から下を見るとそこには確かに旗印にドクロに2本の剣、炎を現しているようなマーク。
「おらァ!!出てこいよ!!白ひげェ!」
下劣な笑いで威勢が良いのは船長のキッド。
『今から大事な会議があるので帰ってもらって良いですか?』
「あァ!?! そんなことァ、知らねェよ!!」
『新世界に入ったばかりですか?本当に迷惑なんですよね〜』
「キッド…あいつは大海の天使だ」
「わァってるよ!!」
何を言っても聞こうとしない様子に、隊員たちも戦いたくてうずうずしているようだった。
「何してんだよい、アン」
『いや、チューリップ君が親父様の首を取りにきてるみたいです。』
「へェ〜」
「そりゃ見過ごせねェなー」
『いやいやいや、見過ごしてあげましょうよ。入ったばかりの新人くんですよー?可哀想ですー』
なので…と手を大きく回すと、モビー2号の周りに渦潮ができた。
『私たちが沈んじゃえば良いですよね。最初っから』
急いで船全体にシャボンを貼る。
「おいおい…」
「まじかよ」
『じゃあ、ルーキーくん。新世界の海を楽しんでね〜』
ザブンとモビー2号は重力に逆らわずに海へ沈む。
「勝手に沈めんじゃねェよい」
『でも、めんどくさい。』
「けッ、戦闘が出来ると思ったのによー」
『戦闘ばっかりで解決するのはどうかな〜?今みんな怪我が治りきってない状態なんだし、これが最善…でしょ?』
そういうと“確かに”と同意の声が返って来る。
「はァ…まァいいよい! 会議始めるよい!!」
出てきていた隊長たちは親父様の部屋へ集まって行った。
「アン副隊長がいるからって警戒怠んなッ!!海王類に注意しろ!!」
モビー2号は再び海の航海をするのだった。