【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第49章 まずは一歩ずつ
宝は今回は必要経費になり、みんなもそれで納得をした。やはり大きいモビーは目立つのか、こぞって海軍や海賊やらがひっきりなしに来る。
『ここ、新世界だよねッ!!』
「あぁッ、ハァ!!」
『海賊多すぎッ!!っやぁ!!』
昼夜を問わずに襲ってくる海賊に疲れを感じ始めていた。
「アン、大丈夫か?」
『まぁ…』
「隈…ひでぇぞ?」
エースにひょいと顔を覗かれる、多少は化粧で隠すがさすが双子…見ればわかるんだろう。
『ここんとこ、書類の整備や、戦闘もひっきりなしで…』
「ちゃんと寝ろよ、身体が資本だろ?」
『うん…大丈…ぶ…』
急に襲ってきた目眩に身体が大きく傾いた。
「お、おい、アンッ!!」
「どうした、エースッ!って、アンちゃん!?!」
「何がッ!?」
『…ごめんごめん…ちょっとクラッと来ただけだから、』
「これは預かるよい。」
ヒョイっと上から持っていた書類を取り上げられた。
「アンよい。最近書類が全然来ねぇと思ったら勝手に持って行ってたな?」
『いや…でも』
「でもじゃねぇよい。お前には今日一日休みを言い渡すよい!エース、運んでやれ」
「はーい」
エースはわたしの体を簡単に持ち上げて部屋へと歩いて行った。
『エース…下ろして…まだやることが…』
「今日は休みって言われたろ、休めよ。」
静かにベットに下される。
「戦い疲れもして、能力も使って、仕事もして…溜め込みすぎだ。俺を見習えよな。」
『…ごめん。』
「謝るなら寝ようぜ。隊長も副隊長も1人じゃないんだからよ」
『…うん…』
静かに目を閉じると、エースの手の暖かさにほっとした。
『…エース…スー』
その心地よい暖かさにわたしは眠りについた。
朝からげっそりした顔のアン。大丈夫だというその顔はさすがの俺じゃごまかされない。
どうやら、モビー2号が動きだしてから敵船処理やら書類整備やらに追われてるみたいだ。
マルコがいてここまでの状態になるか?
会話している時…アンの身体が大きく傾いた。
ほら、言わんこっちゃねぇ。
マルコの話を聞くと、どうやらマルコに回るはずの書類もやっていたようだ。今日1日の休息を言われて部屋に連れて行く。
手を繋いだままいると、そのまま手に擦り寄るように眠った。
「あー、俺の妹がかわいい」