【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第49章 まずは一歩ずつ
船は程なくして出港した。街でお世話になった人に手を降り、約3週間ぶりに海へ出た。
「あァー、やっぱり海が落ち着く〜」
「そんな所で寝るんじゃねェよ、エース」
『邪魔…踏むよ?』
「アンが冷てェ…膝枕してくれよ」
『…は?』
「今日1日くらいゆっくりしてェ」
「エース隊長ー、早く来てくださいよー」
『その仕事が今日中に終わったらね…じゃ』
「ほら、早くいくぞエース」
「離せよー、デュース」
エースはデュースに引きずられて部屋に戻って行った。
「初日だからって気を緩めんない、海賊どもや天気は待ってくれねェぞい!」
「「「はい!!」」」
いつも通り活動するマルコはダラダラしているやつを蹴って起こして行った。
『まずは…』
「金の調達だねい」
『そうだね…モビー2号は意外と高かったし…置いてたお金無くなったんじゃない?』
「あぁ…すっからかんだねい。食糧や物資なんとか買えたけど…贅沢はできないねい」
『あ、来たよ…』
「なに…ドォーン!!…敵船!?」
「だから、見つけたんなら元気に言えって!!」
「「「「敵襲ーーーーッ!!!!」」」」
『また来る』
ドォン、ドォンと何度も大砲が近くの海で水しぶきをあげる。
「アン副隊長ー、見てないで動いてくださいよー」
泣きながら訴えてくる隊員が多くいた。
『もう…あれくらいでビビってどうするのよ!』
水しぶきによって船が大きく揺れた。
『おっと…』
「はァ…俺がいくよい。片したら連絡する」
『はーい…』
マルコはバサッと翼を羽ばたかせて敵船へ向かって行った。
「マルコ隊長はすごいですね。1人で倒しにいくなんて」
『まぁ…隊長だからね。あ、掛け橋の準備しといてね。マルコの終わったら宝運ぶから。』
「え、そんなこと言われてましたか?」
『…いや、なんとなく…ね』
「わ、わかりましたー」
それから数十分も立たないころ、電伝虫に“終わったよい”と連絡が入った。
[そっちから引けるかよい?舵壊しちまってよい]
『問題なし…』
グーっと紐を引っ張るように海を操ると船がゆっくりと此方に向かってくる。そして、掛け橋をかけてお宝探しに入ったのだった。
「こりゃ、襲ったばっかだったね」
『かなりあるね…』
「当分の資金だねー」
『お疲れ様、マルコ!』
「よい、宝は数えといてくれよい」
『はーい』