【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第48章 おかえりモビー・ディック
『発言が酷すぎる…』
女の子に対して、ピーーーー(大人にしか聞こえない)しとけとか普通言う!?!そっちはヤリまくってんでしょうけどね。
海軍でずっと生きてきたんだ。男の人なんて…意識したことなかったし。エースは本当に失礼…。
『しばらく口聞いてあげないし、みんなもさっきのことあるし…絶対許さない。』
浅瀬ではあるが、そこそこな深さでシャボンを貼り岩場に寝っ転がる。今でこそこんな呑気だが、1年後…はどうなってるやら。
のんびりと海底にいると、時間も忘れてしまいずっと上だけを見ていた。時々海王類が覗きにくる。
『ん、ちょっと待て…海王類??』
一度立ち上がりまわりを見てみると先ほどいた浅瀬からかなり離れてしまっていた。海流にでも流されてしまったんだろう。
『ありゃ…怒られるなこれ…』
どうせ怒られるならもう少し…そう思って再び海面を見上げた時だった。大きな船が2隻…真上を通って行った。
白く塗られた鯨のような顔、もう一隻はそれよりもひと回り小さい船…。
『あ…』
急いで海面へ上がると、そこには前と同じ顔をしてまた私たちを導いてくれる船…モビー・ディック2号が悠々と海を泳いでいた。
『モビーだッ!!』
船がくるのは3時以降って言っていたような…わたしが海に飛び込んだのは11時ごろ…と言うことはわたしは4時間近くも海にいたの!?
『…でもみんなが悪いから仕方ないよね。』
スッと海面へ上がり、海の上を歩くとすごい勢いで青い鳥が降りてくる。
「ッ見つけたよいッッ!!」
『…』
身体は人間へと戻したマルコはすごく汗をかいていて、何時間か前に見た時よりも明らかに疲れていた。
「探したよい…アン」
なにも答えなかった。もともとからかった自分たちが悪いのだ。
ゆっくりと歩くそのあとをゆっくりと飛んでくる。
「アン…悪かったよい。あの後エースも俺たちも、親父にもナースたちにもこっぴどく叱られたんだよい。無神経なことを言った。反省してんだよい…」
再びマルコの方をみると、殴られたせいなのか少したんこぶであろうものが見えた。
「怒ってるよない…すまねぇ…」
マルコは再び不死鳥の姿に戻り、反省の様子を見せた。
くそ、とてつもなく可愛い…。
「アン…」
『はぁ…今度からデリケートな質問をしないこと』