【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第47章 憎しみの連鎖
『…その前に船と体力の回復、怪我の治療だね』
「そうだねぃ」
「ティーチの情報も探らねぇとな」
「いいか…隊員には強制するな。そう言う圧もかけるな。なんなら言うな。分かったか、エース」
「おう、なんとなくな!!」
『ダメだ…』
この戦いは後に“落し前戦争”と言われる戦いである。
白ひげ率いる隊長格17名、対するは黒ひげ率いる総勢10名。
どちらに勝機が傾くか、どちらの誰が死ぬかなんてこの時は誰もわからなかったのだ。
「でも、やっぱり早いほうがいいよね〜」
「あぁ…仲間を増やされると厄介だ」
『囚人達も増えてたしね…』
「やっぱり船ができたらすぐだねい」
「グララ…よし、それで作戦を立てろォ」
『ティーチは…親父様に何かをしようとしてた。あの闇の力は嫌な予感がする…』
「おぉ、ありゃ能力者は戦いづらいぜ!なんか、能力封じるみたいな力があってよ、直肌に触られると海楼石みたいに能力が使えなくなる!」
「あ、そうか…エースは1回負けてんのか!」
「負けてるとか言うなよ!! 本気出してねぇだけだ!」
『…親父様、気をつけてね。絶対無理したらダメだよ』
「ガキが親の心配してんじゃねェ…グララララッ!決行は1年後!それまでに万全に整えとけェ!!」
「「「おぉ!!!」」」
隊長会議の異様な声に外は少しざわついていた。今回は隊員の参加は強制しない。きっと降りるものも多くいるだろう。でもそれでいい。時には逃げる勇気もつけて欲しい。
「アンちゃん、ちょっくら話さねぇ?」
『サッチ?』
会議も終わり、みんながゾロゾロと借家から出て行く。その途中でサッチに声をかけられた。
『もちろん、構わないけど…どうしたの?』
「いいからいいから!」
サッチに手を引かれ、またもや海に来る。
『…サッチ?』
サッチは海を見ているだけで、全然話そうとしない。頭にはてなを浮かべてもう一度声をかけると、やっと口を開いてくれた。
「あの力…やっぱり…使わないで欲しいんだ」
あの力とはきっと私の覚醒の力だろう。
『どうして?それに約束だって…「その約束を俺たちは破る」え?』
後ろを見ると、帰っていったはずの隊長達が海へと来ていた。
「話は聞いたぞ、アン」
「俺たちに内緒にしてるなんてな」
「寂しいでしょ?」
「全くだ、家族に秘密はなしだ」
『ど…して…』