【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第46章 探していた答え
『ッそう、だね…』
「俺らの不安だった答えは、ここに来てやっと分かったんだ。俺たちは生まれてきてもよかった。みんなが愛してくれてる。それだけでいいんだって…な?」
『ッうん…ッふ…う』
「おいおい、なんで泣くんだよ。」
『ッだって…ふっ…うぅ』
「馬鹿だな…俺たちも…ッこんな簡単なことに気づかなかったなんて…な」
涙目でもエースの顔は見える。海を見つめているその目からやはり涙が流れているようだった。
『エース…親父様に、みんなに会えてよかったね。』
「あぁ…」
私たちは探していた。この世に生まれてきてよかったのかという答えを。
あるものは言った。
ー生きてみりゃわかる。と
ー生き抜いてくれてありがとう。と
ー生きてりゃなんでもできる。と
そして、答えをくれた。
ー生まれてきた子供に罪はねぇ…。
ー愛してくれてる。
たったこれだけのことに私たちは何年も何十年も悩んでいた。
『ったく…お父さんが悪いんだから。』
「全くだぜ、あんなクソ親父。」
空の上で今頃きっとお母さんが慰めているだろう。
「俺らはまだそっちにいく気はねぇぜ!!」
『そうだ! 行かないよ!!』
何にもない空に向かって叫ぶ私たちはどこか満足な気持ちだった。
「あいつら…何してんだよい」
「さぁ?」
「なんか話してるぜ?」
よくよく耳をそば立ててみたがあんまり聞こえないが、2人はいきなり泣き出していた。そんなに重い話してたのか!?
「お、おい、どうするよ」
「もう少し様子見るよい」
「何してんのかね」
しばらくすると、2人は満足したような顔で笑顔になった。
「なんか、解決したみたいだねい」
「確かにな…気持ちいいくらいのいい笑顔じゃないか」
「俺らはまだそっちにいく気はねぇぜ!!」
『そうだ!!行かないよ!!』
空に向かって、誰に叫んでんのかは少しだけ分かった。
「戻るよい」
「ほんと…あいつらは2人で抱え込みすぎなんだって」
「そこを引き出してやるのも兄貴の役目だろ?」
「確かにねー」
そっと草むらの影から覗く4つの影は静かにその場を去っていった。
『さ、エース!戻って寝よう!』
「当たり前ッ!」
エースと2人走って戻り、サッチ、マルコ、ハルタ、イゾウの背中に突撃していったのはこの数秒後の話である。
『「何してんだ/の?4人で!」』