【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第46章 探していた答え
ボロボロと泣きながらでも的確な処置をしてくれるナース達、島の住民達は快く宿や空き家、布団等を貸してくれた。
「ぐー…ぐー…」
『まだ寝てるの、エースったら』
「やっぱり、これがエース隊長よね」
『っほんとに…恥ずかしい。』
夜も頃合いになり、船に戻るものや、焚き火のそばで眠るもの、まだまだ酒を飲み続けるものとバラバラとしてきた。ナース達は夜も遅くなってきたので、イゾウとビスタの護衛の元、宿に返されていた。
『…ちょっとくらいならいいよね〜』
みんなが見てないうちにコソッと海へ向かった。
『やっぱり、海が落ち着く…』
心地よい潮風、静かな波音…夜なので空と一体になっている境界線。落ち着いて見るとやはり心地よいもの。
静かな空間に1人ポツンといると考え事をしてしまうのが人なんだろう。
『そういえば…ドフィにもハンコックにもミホークにもお礼言ってないな…。』
家族には伝えていない。私は王下七武海の3人と交渉しその力を借りていたことを。今後も伝える気はない。
『もうちょっと落ち着いてからでもいいか…』
「何が落ち着いてからなんだ?」
『ッエース…』
「よっ!勝手にどっかいくなよな…心配するだろ?」
『まぁ…ちょっと海が恋しくて…』
「まだ何時間しか離れてねぇよ。ま、気持ちはわかるけどな」
エースは私の隣に座り、同じように海を見ていた。
「俺さ…あん時、死ぬのも覚悟したんだぜ。みんなが血を流して戦ってる時…ルフィやアン…お前らが命をかけて戦ってくれた時…ほんと、死んでもいいと思った。昔俺が言ってたこと覚えてるか?」
『ん?どの事?』
「俺は世界の人間に俺という存在を認めさせるって言ってだろ?」
『あぁ…』
「あん時、考えてたんだよ。俺はきっと…アンやサボ、ルフィみたい世話のやける弟がいなきゃ生きようとは思わなかった。誰も俺たちのことを望んでなかったんだ…仕方ねぇ。」
『うん…』
「でもな、俺が欲しかったのは名声じゃなかった。俺は生まれてきてもよかったのか…その答えだった。こんなどうしようもねぇ俺をあんなに必死で助けてくれる親父や家族、アン、サボ、ルフィの顔見てたらわかったよ。生きててよかった…こんなにも愛してくれる奴らがいるんだって。生まれてきてもいいって、子供に罪はねぇって言ったんだぜ、親父はッ…笑えるだろ?」