【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第45章 太陽はここに
島に戻ると、そこは涙の会場と化していて、エースを取り囲んでまた傘下の海賊たちが大泣きをしていた。大きな怪我をしている者もいないようで、多少の怪我は勲章だって言ってた。そして、スクアードに関しては親父に縋り付いて泣いていた。
『ったく…みんな泣き虫なんだから。』
私はルフィの様子が気になった…海王類が乗せたのは家族だけでかなりの傷を負っていたルフィとジンベイは私が戦っている間に来ていたらしいトラファルガー・ローの船に乗って逃げたようだ。
『へぇ〜、そうなんだ。』
「あんた…後ろ振り返りもせずに大将3人斬りつけたからね。おかげで助かったけども。」
今はホワイティベイこと、ベイ姉さんとお風呂に入らせていただいている。
『みんなを逃すために必死だったもんで…』
「…でも、1人でしすぎだよ。私らもいたんだから頼ってくれないと面子が立たないってもんだろ?」
『…ごめんなさーい』
「反省してないね?」
『してるしてる!!』
「ったくこの子は…あんた、傷だらけだね」
『まぁ…能力者と言えど…苦手な能力者の攻撃も効くし、気を抜くと普通の攻撃も通るし、覇気なんてもってのほかだし。』
「まぁ…そうだろうね。にしてもその背中の跡と腹部の刺し傷」
ベイ姉さんは直接一つずつ指差していった。
『あぁ…過去の傷だよ。』
「女の子なんだから気をつけな」
『うん…』
「傷ついでに聞きたいんだけど、その刺青の意味はなんなんだ?」
『あぁ…兄弟の名前だよ。』
「エース…とあと誰だっけ?」
『…Aはエース、Sはサボ、Lはルフィ。私の大事な兄弟の頭文字から取ったの。エースたちには内緒だよ』
「ふッ…あんたも可愛いことするじゃないか。」
ベイ姉さんにからかわれている感じがして少し反論したが、ダメだった。大人の女性にはこう余裕がある。
お風呂もほどほどに上がると、服を貸してもらい着替える。
「意外と似合うじゃないか」
『ちょっと露出が多いってまた怒られそう』
「そんなの気にしてたらオシャレはできないよ」
『あぁ…確かに!!さすが姉さん!』
「ほら、みんなのとこ戻るよ」
ベイ姉さんの船を降りると、島ではまだ皆が祝勝ムードで動く気配はなかった。
「よう、戻った…か…よいッ!!!」
「アンちゃん!?!」
「おまッ、なんつー格好してんだよ!!!」
「お、似合うじゃないか。」
「グララッ!」