【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第44章 開幕
「そして、お前ともう1人の元中将ポードガス・D・アンを産むと同時に力尽き果てその場で命を落とした。父親の死から1年と3ヶ月を経て…世界最大の悪の血を引いて生まれてきた2人の子供…それがお前たちだ。知らんわけがあるまい…!!お前たちの父親は!!!海賊王ゴールド・ロジャーだ!!」
『ッ…!』
世界が震えた気がした。放送はそこで一度途切れた。
「10年前…妹のアンが海軍に入ったとき、我々はその血が絶えてなかったということに気づき、監視を含めて海軍に身を置かせた。そして、2年前…お前が母親の名を名乗り、スペード海賊団として卓抜した力と速度でこの海を駆け上がった…その結果、2人は双子だということを気が付いたのだ。だが、我々と時を同じくしてそれに気づいた白ひげはお前を次の海賊王に育てるべくかつてのライバルの息子を、そして海軍にいた娘をも誑かし自分の船に乗せた。」
「お前たちは白ひげに守られていたんだ。そして放置すれば必ず海賊次世代の頂点に立つ資質を発揮し始める!!!だからこそ今日ここでお前の首を取ることに意味がある!!!例え、白ひげとの全面戦争になろうとも!!!」
雄叫びが聞こえる、正義の門が勝手に開いたことを機に私は海の上に上がった。
「な、なんだあれ!」
「霧か!」
「違うッ!!人だ!!!」
『お待たせッ、エース!!!』
手を上に持ち上げると静かに霧が晴れていく。何隻もの傘下の船を後ろに従えた。
「来たぞォォ!!」
「全員、戦闘態勢ッ!!!」
「遊騎士ドーマ、来卿マクガイ、ディカルバン兄弟、大渦蜘蛛スクアード、そうそうたる面々…いずれも新世界に名の轟く船長ばかり!!!総勢43隻、白ひげと隊長格の姿はありませんが、船を率いて海を歩いてきてるのは!!!!1番隊副隊長、大海の天使のポードガス・D・アンです!!!」
ゆっくりと船をまだ動かして湾内へ送った。後はマルコたちがしてくれる。
「湾内に影がッ!!まさか!!!」
「そうだったのかあいつら全船…!!コーティングで海底を進んでたのか…!!」
白い鯨が高く跳ねるように、湾内にモビーディック号が姿を現した。そしてその後ろに配置したパドルシップ。
「湾内に侵入されました!!」
「14人の隊長達もいます!!!」
海面を操りなんとか間に合ったみたい。
「お疲れさん」
『お待たせ…!』