第43章 始まるエース争奪戦

「さっき俺が乗せたんだよい。」
『マルコが？　人一倍人を疑う人が？』
「あぁ…あんまりにも真剣に話すもんだからない」
「俺な…記憶戻ったよ。アンッ…知ってたなら教えてくれてもよかっただろ？」

サボはニカッと笑っていた。

『…怒らないの…』
「ん？何を？」
『…だって、知ってて黙ってたんだよ』
「だから？」
『だからって…』
「ドラゴンさんに聞いたんだ。昔、天竜人に打たれた時助けてくれたんだろ？海軍にいたのにな…」
『ッ！』
「俺を思って言わなかったんだろ。知ってるって、お前ら兄妹はいっつも俺たちのことを1番に考えてたもんな。ありがとな」
『…ッふ…ぅ』

下を向いたが誤魔化しきれてないだろう。ちゃんとわかってくれている人たちがいるだけで幸せなんだ。

「おい、小僧ォ…お前はなんだァ？」
「俺はサボ！　革命軍参謀総長をしてる！んで、アンとエースの兄弟だ！」
「ほぉ…」
『親父様…ほんとだよ！　サボも兄さんだよ！』
「グララララ…わかったらァ。だが、俺の娘を泣かす奴は許さねェ、覚えとけェ」
「あぁ！　すまねぇ！」
「なんか、潔いってか…無垢ってか…」
「こりゃ天然だない」
「いつもアンが世話になってたな。ドフラミンゴに捕まったときは潰してやろうかと思ったが、アンが幸せそうならよかったよ！」

今、なんと…。

『さ、サボ！』
「グララララッ！！おもしれェ小僧だァ！エースを救いたい気持ちは同じ…今回は同士として迎え入れてやる」
「ありがとな！よろしく頼むよ！」
「親父にタメ口ってのがちょっと気に入らねぇのと、イケメンなのが腹立つ！！」
「おめェ、イケメンには毎回突っかかるよなー」
「マルコにもそれが理由でしょ？」
『いや、マルコとかは意外と嬉しがってるかもよ』
「突っかかられるのが？」
「アンよい！！余計なこと言うな！」
「あはははッ！　お前ら仲良いのな！」
『サボッ！』

賑やかな光景だ、海も静かで私が動かしている海流で海王類も寄ってこない。私がいるから攻撃してこないんだけど。

「グララララッ！　準備だけはしとけェ！」
「わかってるよ！」
「当たり前だ！」
『もちろん！！』
「アン、一緒に寝ようぜ！」
『え？』
「「ちょっとそれは聞けねぇよ？/ない！！」」

マルコとサッチはサボを連れて行ってしまった。