【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第42章 下準備は正確に
プルプルプル
みんなは傘下の船にまだ連絡を取り続けていた。
[誰だッ。」
『いい加減…コールで覚えて欲しいんだけど。』
[アンか…大変なことになってるな。噂に聞いただけだが…海軍と戦争になるらしいじゃないか。]
『サボ…お願いがあるの。』
[それはできねぇ…]
『まだ何も言ってない』
[俺たちは公に出ることができねぇんだ。一緒に行くなんてことはできねぇ]
『……サボ、お願い。エースを一緒に助けて…。私たち兄妹でしょ!?』
[何言って…ん…だ…]
『ごめん…本当は強制になんてしたくなかった…思い出さなければ辛いことも忘れてられたのに…ごめんなさい。』
サボの電伝虫は何も言わない。
『思い出して…エースは私たちの兄弟!!みんなで盃を交わしたでしょ!!』
当然かかってきた電話…相手はいつもの通りアンだった。今世間を賑わせていることを話すんだろう。
『サボ…お願いがあるの…』
悲痛な声、表情…いつものアンじゃないのはわかっている。だが、これだけはできねぇ。
『……サボ、お願い。エースを一緒に助けて…。私たち兄妹でしょ!?』
兄妹…?
「何言って…んだ…」
頭がズキズキといたんだ…何か記憶が…。
ーサボッ!
ーおい、サボ! 行くぞ!!
ーサーボー!!
『ごめん…本当は強制になんてしたくなかった…思い出さなければ辛いことも忘れてられたのに…ごめんなさい。』
アンは何を言ってんだ? 強制?思い出す?何か知ってんのか?
『思い出して…エースやルフィは私たちの兄弟!!みんなで盃を交わしたでしょ!!』
盃、兄妹、エース、アン、ルフィ…そうか俺たちは…。
小さい男女が丸太でできた小屋の中で小さな赤い盃で乾杯していた。
ーこれで俺たちは兄妹だ!!
ーやったね、サボ、ルフィ!これからもよろしく!
ールフィは兄ちゃんと姉ちゃんが一気にできたな!
ーいいんだ!! みんな大好きだから!!
「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」
体が熱い…記憶が…頭が割れる!!
「サボくん!! どうしたの!!」
「大丈夫か!!」
そうだ…処刑されるのはしらねぇやつなんかじゃねぇ…電話してんのも知らねえやつじゃねぇ…。
『サボ…ごめんね…』
悲しそうに泣く電伝虫を最後に俺は意識を手放した。
「…泣くな」