【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第42章 下準備は正確に
少し時間は遡る…。
「何があったんだよい。」
それは翌日落ち着いてきた頃にマルコやサッチ、親父様がかけてくれた一言だった。
身体が壊れるほど痛くて、心が弾けるくらい苦しくて…
エースの存在をこの世に感じれなくなってしまった。
『エースが…消えた…』
「それは…どう言う…」
『わからない…でも、今エースのことを何も感じない。死んだとかじゃない。消えて…感じないの』
「…親父…」
「あァ…元から双子だァ…エースに何があったのは間違いねぇだろォ…」
隊長たちは顔を見合い、事態がどうなっているのかを把握しようとしていた。
『…ティーチに会ったんだ…きっと』
「…戦ったのか…」
『わからない!! でもそうとしか思えない!』
隊長会議が行われているときは基本出入りが禁止になる親父様の部屋にバタバタと入ってくる人がいた。
「おい、今は会議中だ…「それどころじゃないんです!!これ見てください!!」…これはッ!!親父…ッエースが!!」
イゾウの手に持たれていたのは一枚の新聞だった。
『何が…書いてあるの…』
「エースが海軍本部に収監された…ッティーチが七武海入りしたって…!!!」
『…ッ!!!』
「あいつッ!!エースを売りやがったのかッ!!!」
「くそがッ!!!」
「落ち着けェ…アホンダラァ…でその他は何が書いてあるんだァ?」
「海軍は公開処刑を決めるって…」
『ッ親父様!!』
「…黙ってられねェな…白ひげ海賊団全傘下に連絡しろォ!!
戦争だァァ!!!」
ダンッと船が大きく揺れるほどの音…掛け声。
マルコやサッチ、イゾウたちはそれぞれ傘下の海賊団に連絡を入れるために部屋に向かった。
『親父様…エースを』
「あァ…必ず助け出すッ!当たり前だァ、グラララ」
『…ありがとう!』
エースの処刑…絶対に止めなくちゃ…殺させない。もう誰も。
白ひげ海賊団はもちろん強い…傘下の海賊団も。
「アン…思い詰めた顔してんじゃねぇよい!戦争になろうが、俺たちが必ず勝つ!エースを取り返して、みんなでまたこの海に帰ってくんだよい!」
「当たり前だ! 俺がいたら大丈夫!!」
「僕がいるからだよ!!」
「俺もいるから!!」
「だからさ…」
「「「そんな顔すんなよ」」」
励ましてくれているんだろう。
『そうだね…今の私たちは無敵ッ!!必ず、エースを連れて帰ってこよう!!!』