【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第40章 決別
今はシャンクスの部屋に2人きり。流石に危ないので距離は開けている。
「アン…俺はさっきエースを止めてくれと白ひげに言った。今はティーチとエースを戦わせるべきではと思っている。」
急に何を言い出すのかと思えば…
『そんなこと、親父様にも分かってる。でも仲間を傷つけたこと殺そうとしたことは事実…それを咎めないということはできない。』
「お前も戦うのか…」
『当たり前よ…ティーチは間違った事をしたと教えなければいけない!!』
「そうか…残念だ。」
『私が言ったところでみんなは止まらないよ…もう…エースも』
窓の外を見つめると、やはりポツポツと雨が降り出してきていた。
「アン…俺は本気でお前を愛してる。危険な目にも合わせたくねぇと思っている。どうだ? 俺の船に乗らないか?」
『私を閉じ込めるの?』
「いや…戦いの中から出したい。それだけだ。」
『…シャンクス。私は戦いを望んでるわけでないわ。でも家族を傷つくのを黙って見ておくこともできない。』
「アン…」
『愛してくれているのは分かったわ…でも今は何も考えられないの。エースの身が心配なの…』
「そうか…また俺は誘いに来る。お前の気が変わるまで何度も求婚してみせる。」
『フフッ…楽しみにしてる。』
「送る」
『有難う…』
甲板に出るとヤソさんたちがまたいつでも遊びに来いと言ってくれた。友達だからと言ってくれた。それだけで心掛けて温まった。
かけ橋を渡ると、ジョズが橋を片付けた。その瞬間にシャンクスの船を押し戻し、私たちから離した。
「気が済んだかよい」
『…求婚されに行っただけよ』
「で、どうすんだ?」
『断ってきたわ。今はエースのことしか考えられないって』
「今は…か?」
「お前らは兄妹愛が強いな」
『うん…双子だから。ずっと2人で生きてきたからね』
遠く離れていくシャンクスの船は、少しだけ寂しさを残していった。
「ほら、いつもの仕事しろよい!!雨が降るよい!」
「もう降ってるよ!」
「能力者は中入れよ!!?!」
『不便だねー』
「お前もだからな!!」
そのころ、グランドラインのとある島ではこの先の未来を変える大きな戦いの火蓋が切られようとしていた。
「おい、待てよ…ティーチ! 探したぞ…!!」