【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第38章 家族の暖かさ
時間はもう夜だ。モビーにはまだ明かりがついていた。
『ただいま』
船へ上がると、そこには飲んだくれている家族たち。今度は何の宴をしたんだ。
「あァ…戻ったかァ」
『親父様…ただいま。これは何の騒ぎ?』
「親父の快気祝いだ。」
親父様の後ろから姿を見せるマルコとサッチ。
『快気祝い?』
「あァ…点滴をとれるくらいには回復したみたいだァ」
『よかったね!!』
「エースのことはマルコに聞いた、グララ…そうしけた面してんじゃねェあほんだらァ」
『…でも!!』
「言ったろい? 誰もお前を責めねえ」
「当たり前だ! ちゃんと止めてくれたんだろう?」
『…ッうん』
「ならいいじゃねえか!!やることはやった。」
マルコもサッチも親父様も頭をなでてくれた。優しい言葉もかけてくれた。
『…ぅッうわぁぁぁ…』
「なんで泣くんだよい」
「ははッ……ッたくお前たちは抱え込みすぎなの」
「俺たちは家族だ、何もかも分け合うのが家族だよい」
「グララララ、泣け泣け」
いつぶりにこんなに泣いただろう。エース以外の前でなくことなんてなかった。いつもそばにいた大事な家族。
「待っててやれよい」
「帰ってくんだろ?」
『うんッ』
親父様の膝の上はエースみたいに暖かく優しかった。
「グラララ…寝てらァ」
「みたいだねい」
「かわいくて襲われんぞ…ッ冗談だぜ」
「笑えねえ冗談はやめとけ…グラララ」
「親父もマルコもアンちゃんに過保護すぎだぜ」
「そりゃ、おめえもだよ、サッチ」
「イゾウ」
「もしアンが赤髪とかを彼氏だって連れてきたらどうすんだい」
「「「そりゃ戦争だ/よい」」」
「ほらな?一緒だ」
「赤髪だろうが、海軍大将だろうが、どこぞの馬の骨だろうが、俺の娘をたぶらかす野郎は許せねえなァ、グラララ」
「当たり前だよい」
「おうよ」
「アンが男を知るのはまだまだ先になりそうだな」
こっそり聞いていたナースのお姉様方たちは、みんな同じよと思っていたと同時に同情もしたのだった。
心地よく差し込む光に目を開けると、使い慣れ親しんだ部屋に寝かされていたことを理解した。
『帰ってきた…んだ。』
昨日のことを思い出して、とんでもない恥をさらした気がして、布団から出るのがちょっぴり嫌になった。しかし、みんなの対応はいつも通りだった。