【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第37章 兄の場所
「そいつは海賊船で最悪の罪…仲間殺し未遂をして船から逃げた。隊長の俺が始末をつけなきゃならなぁってわけだ。そんなことでもねぇ限り、俺はこの海を逆走しねぇよ」
「……アンは?」
『私はもともととある男に用事があって、ついでにエースを連れ戻す算段だったから。エースをつれて帰るわ』
「そうか。」
「『次に会う時は海賊の高みだ/よ!』」
エースはストライカーへゆっくり火を送った。
「じゃあな!」
『また会おうねー』
「またなーーーーッ!!!」
ルフィと別れまた海を戻る。
『エース…』
「ん?」
『親父様…今回いいって言ってたよ。』
「あぁ、聞いた」
『戻ろうよ…なんか嫌な予感するの』
「戻らねぇ…ちょっとしゃがんでろ。」
前からからB.Wとかかれた五隻の船。
「いたぞーー、大海の天使と火拳のエースだ!!」
「あいつらを捕まえればNo.エイジェントだ!!」
『なんか言ってるよ』
「関係ェねぇよ、火拳ッッッッッ!!!」
海を突き抜ける火の柱は船五隻を木っ端微塵にした。
『海が汚れる…』
「沈むだろ?」
『…そういう問題じゃない。』
クルクルと指を回し、粉々の船を渦に乗せて深く沈めた。
『ねぇ…帰ろうよ』
「何回言ってもかわらねぇ…おい、波を使って止めんなよ、反則だ。」
『サッチは生きてる、私も! それじゃあダメなの?』
「未遂とはいえ仲間に手をあげたという事実で親父の顔には泥が塗られたも同じだ。俺はアイツにけじめをつけさせねぇ限り帰れねぇ」
『でも…』
「アン…頼む。必ず帰るから」
『……分かった。親父様には言っとく。この海域に戻ってきてるんだって。』
「親父もグランドラインに!?」
『うん…体調がよくないって…』
「そうか…こっちの方が安定してるしな。」
『じゃあ、戻るね…必ず帰ってきてね』
「ああ…当たり前だ。」
エースは船を一度止めた。船を降りると海に立つ。
「送るってのは出来ねぇが…気をつけて帰れよ」
『うん…』
「笑えよ、な?」
にししと笑うエースにつられて少しぎこちない笑顔を見える。
エースはじゃあなと言うとストライカーを再び走らせて海を逆走していった。
『海よ…どうかエースに加護を…』
静かな海の真ん中にたたずむ姿はまるで天使のようだったと後にエースは語った。