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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第37章 兄の場所


アラバスタ王国 港町 ナノハナ

そこでは、一軒の店がざわざわと騒いでいた。

「あの店…やけに騒がしいな…何があった」
「なんでも店でお客さんが変死したらしくて…あ、軍曹さん」
「大変なやつがこの街に!! 大変です、スモーカー大佐!!!」


店では、店主が焦りを見せていた。店主と話していたはずの旅の男がご飯の途中に顔を突っ伏して死んでいるようだ。

店内では砂漠のイチゴを口にしたのではないかと声が広がっていた。

「…砂漠じゃしらねェことは命取りになる」
「見ろ、肉を持ち上げた瞬間の手、そのまま固まっちまって…。いかに砂漠のイチゴの毒が強力かを物語ってる」
「ぶほッ!?!?!」
「うわ!!! 生き返った!!!」

急に起き上がった男に目をひん剥いて驚いている客と店主。

「ん?」
「だ…大丈夫?」
「ふぅ…いや〜まいった。寝てた」
「「寝てたァ!?!」」
「ありえねェ、食事と会話の真っ最中に!?!」
「しかも続きをかみしめた!?!」
「しかし、なんの騒ぎだいこりゃ」
「「「おめぇの心配して騒いでたんだよッ!!?!」」」
「この店はコント集団を雇ってんのかい?」
「いや、そうじゃねェが…まぁ無事ならよかった」

そう話した瞬間にまたガシャンと寝てしまった。

「ところでおやっさん。こんなやつがこの街に来なかったか?麦わらを被った…「よくもぬけぬけと大衆の面前で飯が食えるもんだな。白ひげ海賊団2番隊長がこの国になんの用だ。ポートガス・D・エース」」

また騒ぎ出す客たち、背中のマークにようやく目がいったようだ。

「弟をね…探してんだ」










『あ、ルフィ』
「アンッ! 飯屋はこっちだ!!」
『え、ちょっと待って!いや、待てって!!』

ぐるぐると腕を回し拘束された。嫌な予感しかしない。

「ゴムゴムの〜〜ロケットォォ!!!!」
『きゃぁぁぁ!!!!』

ルフィはそのまま店の壁を突き破った。そして立っていた人に衝突して止まった。

「うはーーーッ!!飯屋だ!!!腹減ったァ!!」
『いたた…能力使う間もなかった…』
「おっさん! メシメシメシ!!!」
「…あァ、でも君ら…逃げた方が…」

客たちは何かにビクビクとしていたがルフィはお構いなしでご飯を食べていた。

『もう…』

ルフィの横に座り、飲み物を頼んだ。

「うめェなッ!!」
『ね…』
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