【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第37章 兄の場所
「何してる。」
後ろから声がかかったので振り返ると、タバコを蒸しているベックが立っていた。
『一宿の恩返し…。もしあれなら、みんな起こそうか?』
「こんなにまだ寝てやがるのか…て、頭もか。」
『みたいだね…どうする?』
「やってくれ…」
『お任せあれ!』
洗濯物はまだ船内から出さずに扉を閉めた。
手をひょいと持ち上げると、海水が持ち上がる。
『さ、お昼ですよ!!!っと!!』
甲板に海水をドバッと投げ入れた。船員たち全員にかけた。悲鳴を上げてどんどんと目を覚ましていく。もちろん、ヤソさんやルゥさんもお頭さんも水浸し。
『ふぅ…』
「便利だな。」
『ありがとう…ベック、洗濯物どこに干したらいいの?』
「あぁ…そこにロープを張らせる。ちょっと待て。」
『ありがとう。』
ロープが張られるのを大人しく待った。
「おいおいおい、もっと優しく起こしてくれよ。ベック。これじゃあびしょびしょじゃないか。」
「俺じゃねぇ」
「じゃあ、誰だ…ってあれ、アンなんでいんだ?」
酒を飲んでいてすっかり忘れてるのか。
『そこに船があったので、一晩お世話になりした。お頭さん』
「なんで、その呼び方?」
「アン、許してやれ。お頭は普段から酒を飲むと何も覚えてやいねぇ」
『うわ、最低なやつ…』
「言い方が悪いぞッ!! ベック!!」
『あ、ベック…食堂にご飯作ってあるから、』
「あぁ…」
「待て待て、なんでベックに言うんだよ! ここの船長は俺だぞ!!」
『いえ…酒の席でしたことも覚えてない人には覚えられないかと…』
ロープを貼り終わったのか、顔を見たことがない人が教えてくれた。
「あの、大海の天使ですよね!! ファンなんです!」
『え?』
「握手しt…ヒッいや何もないです。洗濯物、俺たちで干しときます!」
そういうと、新人くんらしき人は籠を持って走っていった。
『大人気ない…新人?』
「あぁ…悪いな。後で言っておく」
『握手くらい問題ないって?』
機嫌を悪くしたお頭さんはどうやら新人の子に大人気なく覇気を出していた。
「アン…からかうな。」
『シャンクス…私、浮気症の人は嫌いよ。』
「あ?」
『…まぁ、本気じゃないのは分かってるからいいけど。あ、ちなみにエース知らない?』
と、手配書を見せる。
「この男なんなんだ?」