【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第37章 兄の場所
新世界にある街で話を聞いてみたいもののやはり、エースが来たと言う情報やティーチのことも何も出なかった。
『海が言ってた通り、2人とも逆走してるのか…』
グランドラインの逆走…ログに決められた航路を進まず今まで進んできた道を戻る。
『…ちょっと面倒くさいな。』
私はマルコのように空を食べるわけではないから、海を深くもどり魚人島を経由していくしか方法がない。
『ノックアップストリームじゃ、レッドラインは超えられない。』
マリージョアの真下、深海奥深くの魚人島に向かった。シャボンコーティングをしなくてよく、海王類から襲われる心配もないからゆっくりと旅をした。ちなみに船は新世界の海でボロボロになったので捨てた。
『別に船なくても旅できるからね。』
ゆっくりゆっくりと海底へ落ちていくような感覚。
[女神…連れて行こうか?]
[そこから先はクラーケンがいるよ。危ないよ]
[この間大きな白い鯨がここを通ったんだ]
『ん、ちょっと待て…今白い鯨って言ったか。』
[あぁ…あれは海賊だ。危ないよ]
[大きな船だった]
『そういえば、親父様にここ何日か連絡取ってない。怒られるかもしれない。ねぇ! 白い鯨が通ったのは何日前か分かるわ?』
[さぁ…俺たちに時の感覚はないから。]
[人魚たちに聞けばいい。]
『でも、今回は魚人島は通る予定ないし。』
[そうか…でも、我々はわからん]
流石に深海1万メートルでは電伝虫も繋がらず、海の上の状況などわからない。
[急いで海の上に上がればまだいるかもしれない。]
『そうかな…』
何も言わずとも背中に乗せてもらい、そのまま一気に海から陸へ…シャボンを介していたので深海の圧とか何も考えなくてよかった。キラキラと眩しい海面が見えた時、ザブンと大きな音を立てて海を出た。
シャボンディ諸島の近く、海面に浮上できたようで近くまでふわふわとシャボンが飛んでいた。
[私たちはこれ以上いけない…]
『ありがとう…助かったわ。』
[気をつけて…海はまた荒れるかもしれない]
『うん…』
別れを言うと、ゆっくりと帰っていった。シャボンディの方を向かってみるとそこには赤い龍の船尾の船が止められていた。
かなり堂々と…。
『えぇ…また? なんでこんなところにいるのよ。』
賑やかな笑い声が聞こえてくる船は四皇として知られる男のものだった。