【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第36章 敵の居城
「フッフッフッ、そうか…あの噂は本当なのか。」
『どんな噂かしら…聞きたいわ、ジョーカーさん』
「なんだ、知ってんのか。俺の裏の顔。」
『情報ってのは武器よ?』
「フッフッフッ…」
少し疲れた顔をしているドフラミンゴは今能力が使えない状態にある。私が先ほど投げたのは海の水を凝縮させたもの。少し粘度をつけているので体に引っ付けることができる。
『もう一つ、聞きたいことがあるの。』
「なんだ?」
『…あなたがうちの情報を得たときに使った女…サリアはどこにいるの?』
「…あァ、あの女か。図々しく匿って欲しいと言ってきやがったから首を跳ねちまったな。」
きっとこいつの機嫌を悪くしたんだろう。一般の女など能力者であるこいつにかなうわけがない。
『…そう。』
「なんだ、また迎えてやるつもりだったのか?」
『そんなわけないでしょう? 始末する予定だったの、助かったわ』
「おいおい、白ひげんところは仲間殺しは禁忌だろ」
『…船を降りたの。もう仲間じゃないわ。それにあの子は降りる時に家族を売ったの。許されるわけがない。』
「…お前のそう言う狂気じみた目の方が好きだぜ?」
どんな目をしているのだろうか。
「アンちゃんよぉ、お前には狂気がよく似合うッあの時2人の中将を殺したあの時の憎しみと憎悪を溢れた狂気…ありゃ俺と似たような感じがしたぜ?」
『…あなたと一緒にしないで。』
「一緒だ、お前と俺はなにも違わねぇ…。家族もいる、力もある、その狂気に満ちた精神も、何もな?」
『一緒にしないでッ!!』
「珍しいな、大海の天使が息を荒げるなんて…フッ」
ニヤニヤした笑みが気に入らない。全てを諭すような言い方が気に入らない。
『本当に嫌い…』
「いやよいやよも好きなうちってな。」
私は来た道を戻る。この国を出て、エースを探さないと。
「またこいよ…アンちゃん」
出る間際にそう言われたが、もう来る気はない。こんな気味の悪い連中がいるところなんて…もう来ない。
王宮を降りて、街を歩く。やはりこの島の人たちはおもちゃと幸せそうに暮らしていた。あんな奴が王様なのにそんなわけがないとどこかに感じた。
『この島には何かある…』
そう思いながらも、小舟に乗りまた大海原へ帆を進めたのだった。
能力を使うも新世界にはエースの存在はない。
『グランドラインの逆走か』