【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第35章 漏れた情報
私に小舟は要らないと言ったのに、みんなは一隻用意してくれていた。帆は開けずに波を使い、そのままドレスローザに向かう。
『今は新世界…そんなに遠くない』
雷が降る島もある、すべてがお菓子でできている島もある。海賊が大勢いる新世界…。
『怖くないよ…みんながいるもん』
右腹部に彫った親父様のジョリーロジャーは不安を勇気に変えてくれる。みんながいると思わせてくれる。
『待ってなさい! ドフラミンゴッ!!』
ーーー
やはり時間はそうかからなかった。大きな島…港から見える景色には普通の島にはないものがあった。
『おもちゃが動いてる?』
街は人間とおもちゃが共存していた。それはとても楽しそうに。
『ここが…あいつが治める国なの?こんなに幸せそうで、みんながニコニコと笑顔で過ごしているのに。』
街の中を少し見回りながらも島の中心にそびえる王宮のある丘へ向かう。ここは敵国…流石にちゃんと服着てマークは隠してます。
「おや、御嬢さん!どこへいかれますかな!!」
片足の兵隊のおもちゃが話しかけてきた。
『少し、散歩をしているの。』
「それはそれは!! 楽しんでくださいね!!」
『ありがとう、兵隊さん』
王宮へはやはり簡単には上がれなくなっていた。
水の力を使い、姿を隠し兵隊の目をすり抜けた。
中に入ると、そこはプールやら、花やらがあり、まぁ王宮っぽいとはおもったが…人の気配はあんまりなかった。
『ほんとに…王様なの?もっと警備がいてもいいくらいなのに』
城の中には何人か椅子に座って話をしていた。その中にはあいつはいなかった。
『ねぇ…教えて欲しいの。』
「「「「ッ!!!!」」」」
「誰だッ!」
「べへへ…こんなところに侵入者か?」
「俺たちが誰か分かってねぇんじゃねえか?」
「きゃー、やだー楽しそう」
『…ドフラミンゴの場所を教えてほしいの』
姿を見せた瞬間、気持ち悪いベタベタが飛んできた。
『うわ、なにこれ…きもー』
「べへへ…俺の攻撃を避けるとはな…べへへ」
『ほんと気持ち悪い…近寄らないでくれる?』
「ガーン…俺ガーン…」
『ってか、ドフラミンゴの場所をって聞く必要もないみたいね。』
「おいおいおい、こりゃなんの騒ぎだ?」
玄関から両脇に女を抱えて戻ってくるピンクの大男。
「誰だてめェは?」
あぁ、そうかフード被ってた。