第36章 敵の居城

『残念だわ…あんなに愛を呟いてくれたのに、よその女を連れてるなんて。』
「は？　あんたみたいなやつに若様が愛を呟く？！」
「ふざけんじゃないよ！！」
『あら…私（兄弟の間じゃ）美人だって褒めてもらえるのよ？』
「フフフ…てめェなんざしらねぇな。俺の子猫たちを泣かすなよ？」
「若様ッ」
『私には許してくれたじゃない？　ね、ドフィ』

そういうと、幹部連中がさらに距離を詰めてきた。ドフラミンゴは青筋を浮かべていた。

「俺が…お前に名を呼ぶことを許した？　おいおいおい、ふざけんのも大概にしろよ…俺は気分が悪りぃ。」

ドフラミンゴが手を動かす…切れる身体。が水に変えていたので問題はない。もちろんフードは飛んでいった。

「み、水！？」
「べへへ…」
「フッフッフッ…お前か…それならそうと言え。」

ドフラミンゴは女どもを押し除けて、私に近づいてくる。相変わらずでかい。

『顔見ないと気付かないなんて…私に愛を語る権利はなくてよ』
「フッフッフッ…言うじゃねぇか。アンちゃん。会いたかったぜ？」
『他の女を連れていた男はお断り。それに聞きたいことがあっただけよ。』
「おいおい、嫉妬か？アンちゃんが早く俺の手中に落ちてくれりゃこんなことしねぇと誓うぜ？」
『…どうだか。』

「ちょっと、若様！！　私たちは！？」
「そうよ！　今日はデートしてくださるって言ったじゃない！」
「ドフィ…べへへ…誰か説明してくれよ〜」
「そうよ、キャハハ！若様、そいつは侵入者なのよー？」
『うるさいわね…』
「そう言うな…俺のファミリーだ。こいつは元海軍中将、いまは白ひげ海賊団1番隊副隊長　ポートガス・D・アンだ。
後々、俺の女になる。」
『ならない。』
「ドフィの嫁候補なら歓迎しよう。」
「お嫁さんね、キャハハ」

幹部と呼ばれる男たちは一人一人挨拶をしていた。が、女たちはまだ玄関でキーキーと言っていた。

『殺される前に帰っちゃいなさい？』

殺気を見せてやると、女たちは怯んだのか一歩下がって逃げていった。

「フッフッフッ、邪魔なら首を飛ばせばいいじゃねぇか…あんときみたいによ？」
『…そんなことより聞きたいことがある。この間、海軍に捕まったドンキホーテの下っ端海賊団が私の情報を持っていた。どうして？』

下から睨みつけるように聞くと、おぉ怖ぇと両手を上げていた。