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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第34章 太陽の昇らない海


しばらくすると、スースーと寝息が聞こえた。そういえばとベッドにサッチを転がすと目の下にはクマがあった。きっとこの2日間、考えて後悔して、自身を恨んで眠れない日が続いてたんだろう。

『優しいね…』

サッチは眠りに入ったばかり、まだ起こさなくてもいいか。
ゆっくりと机に戻ると、一枚の封筒が置いてあったことに気がついた。封筒の裏には、慣れ親しんだ字で[Ace]とかかれていた。

『手紙? あのエースが?』

中に入っていたのは、一枚の手配書。そこには麦わら帽子の男の子が笑顔を向けていた。

〔この手紙を読んでるってことは、俺はたぶんいねぇ!
だが、この間の島でこの手配書が新しく出たみたいだからな。
知らせたかったんだ…覚えてるか?俺たちの弟、やっと海に出たってよッ!!〕

『ッ…ルフィ』
「それ、エースが嬉しいそうに何回も見せてきてよ…すげぇうざかったんだぜ?」

急な声にベッドの方を振り向くと、起きているサッチ。

『寝てなくていいの? まだ10分ぐらいよ』
「あぁ…こんなところで寝てたら長男様に何言われるかわからんねぇしな! それにもう大丈夫だからなッ!」

ニカッと笑うその笑顔は前のサッチのままだった。

『そ、よかった』
「それ、弟なんだろ? エースのやつ。見てから見てくれって何回も船で騒いでたんだぜ?」
『…へぇ。』
「ま、あいつ弟妹の溺愛ぶり半端ないだろ?みんな、耳から耳へだったかもな!」
『ふふッ…そっか。ルフィもついに海に来た。これで4人みんなが島を出たんだね。』
「4人?」
『あぁ…いいの。気にしないで。もう寝てなくていいなら、部屋の鍵開けても?外で2番隊の子たちが待ってるの。』
「あぁ…いいぜ?」

部屋の鍵を開け扉をゆっくりと開けるとそこには青筋を浮かべた長男様が立っていた。

「なーにしてんだよい、サッチ…」
「いや、これは、その…」
「俺ぁ…前に言ったろい? 妹の部屋には入んなってッ!」
「じゃ、じゃーな!!」

サッチは窓を開けて、隣の部屋へ移って行った。

『危ないよ? 全く…』
「お前も全くじゃねぇよい! あんだけ言ったのによい!」
『ごめんごめん…』
「全然反省してねぇだろい!!」
『あ、書類はそこに置いていっていいよー。』
「あ、はい」
「おい、アンッ!!」
『マルコ隊長? 私は忙しいのでお帰りくださいね』
「…よい」
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