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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第34章 太陽の昇らない海


私が起きた時には、船にエースの気配はなかった。

「アン…あのね…」

仲のいいリアスがその話をしようとしてくれていた。言葉を遮るように話すと驚いた顔をしていた。

『大丈夫…知ってるよ。私、部屋に戻っていいかな?』
「えぇ…気分がいいなら大丈夫よ。毎日見せに来てね」
『えぇ…』

布団をめくる時に手に少し感じる重さ。

『これ…』
「それ、エース隊長がつけてたわ。お揃いなんだ、必ず戻るって言ってわよ」
『…そう。』

青い石の腕輪…エースは赤い石を使った首飾りだった。
水を使う私が青、火を使うエースは赤…ぴったりなのかもね。

「アン?」
『何もない…部屋に戻る。エースのいなくなった今私が隊を仕切らないと…』
「ちょ、激しい運動とか戦闘はダメよッ!傷が開くからッ」
『…善処する』

まだ何か言いたそうなリアスを置いて、医務室を出る。部屋の外には何故か固まった様子を見せる隊長たちがいた。

『何してるの?』
「いや、その…あはは」
「あーそうだ! 体の方はもういいのか?」
『? 傷は塞いでくれてるし、大丈夫。』
「そうか…ならいいんだ。」

無理やりの笑顔を見せるハルタやイゾウ、ビスタたち。きっとエースがいないことを伝えようと来てくれたんだろう。

『ふふ…大丈夫よ。エースがいないのは知ってるから。』

少し笑顔を見えると安心したように笑っていた。

「止めれなくて、すまねぇな」
「ごめんね…」
「親父もいいって言ったんだが…」
『頑固でしょ? 昔からこれって決めたら曲げないの。』
「そうだな…」
『みんなが気負わなくていいよ、私も止めたけど止めれなかったから。それにそんなことで落ち込んでる場合じゃないでしょ?』
「そうだよね!!」
「部屋に戻るのか?」
『まだ安静にって言われてるけど…2番隊は私がエースの変わりに仕切らないとね。じゃ、やることあるから。』

いつまでも後悔してるわけにはいかない。とりあえず、部屋に戻ろう。部屋までの道のりは少し遠く通る人に心配な言葉をかけられる。

『あ、デュース! これから2番隊の書類は私のほうでチェックするからにこっちに回してってみんなに言っておいてー』
「なんで俺が」
『え、医者であるとともに2番隊副隊長でしょ?』
「わーったよ。しゃあない、俺もやるわ」

デュースは少し嫌そうだが、しっかり働いてくれた。
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