【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第33章 船での裏切り
「おい、サッチなにバタバタしてんだよい…なッ!!!
どういうことだッッ! おい、アン、サッチッ!!」
物音がすると思い、調理場へ来てみるとそこには大量の赤。
独特の鉄臭い匂いにすぐに血だという判断はできた。
サッチの方を見るが斬られた後はあるが、傷がない。またイゾウの時と同じか。すぐに状況を理解した。
「おい、アン…なにがッ!」
アンの方からドクドクと流れ続ける血。
「自分の止血はしてねぇのかよい!!」
すぐに再生の炎を当てる。ゆっくりだが…血はどんどんと溜まっていった。
「…ッアンちゃん!!」
バッと勢いよく起き上がったサッチ。
「…また力使ったのかッ!」
「なにがあったっていうんだよいッ!こんな…」
「あいつ…ティーチが悪魔の実を持って逃げやがった。」
「なにッ!?」
「アンちゃん、俺のためにまたあの力を…くそっ!!」
「後悔はいいッ!!すぐにナースと輸血の準備を伝えてこいよいッ!」
サッチはフラフラと体を動かしながらもナースの部屋へ向かった。
その後数分もしないうちにエースとナースたちがやってきた。
「何があったんだッ!!」
「輸血はッ!」
「それがいまS型の血がストックがなくて…」
「俺がいるッ!!俺のを使えよッ!!もともと双子だッ!」
「そうかよい!」
「すぐ医務室は行くよい!サッチの方は!」
「医務室にて検査してます。外傷はなにも異常は無さそうですが…少し貧血気味なのでベットに寝てもらいます。」
俺はアンを抱き抱え、医務室へ急いだ。
再生の炎により傷口は塞がっていた。やはり血を流しすぎたのとあの力のせいで目覚める様子はない。
「エース、隣のベッドに寝ろよいッ!」
「おおッ!」
エースとアンは隣同士で寝て、輸血の点滴をつなげた。
エースの方から勢いよく流れる血はアンの腕へ。
「これで大丈夫ですわ」
「あぁ…様子見とけい」
「わかってます!」
「マルコ…ッすまねぇ」
サッチが情けなく涙を流した。
「俺が不甲斐ねえから…アンちゃんにまたッ!」
「ばか言ってんじゃねぇよい。俺は事実確認に行くからよい。
お前はまだ寝てろい」
「すまねぇ…ッ」
騒ぎに気づいて起きた奴らが厨房に集まっていた。
俺はそいつらに一言…言った
「ティーチを探せ」