【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第32章 島での裏切り
「何があったのか話してくれんだろうない?」
「心配ばっかりさせてー。」
「…今までのことも全部だ。」
隊長格を中心に話してくる家族は怒りを少しずつ収めて行った。
『…もう3ヶ月以上前かな…親父の島に着いた時教えてくれた人がいたの。』
「3ヶ月前…あぁあのフードの男か?」
イゾウが思い出したように発言をして…さらに視線が痛くなった。
『イゾウ…余計なこと言わないで。』
「わりぃな…」
「そこはいいんだよい…あとで聞くからよい」
『いや、言わないし…』
「おいおい進まねぇだろ?」
「そうだよ!早く続き話して!!」
催促をするハルタやサッチ。みんながいまだに何故と疑問に思っているんだろう。
『そのとき、裏世界で賞金がかけられたこと。そのかけた相手がドンキホーテ・ドフラミンゴだったと言うことを聞いた。』
「そんときから結構空いてるだろ?何で言わなかった?」
『言わなかったんじゃなくて…言えなかったの。忘れてて』
その一言はまたもやみんなを固めてしまった。
「わ、忘れてたの?」
『うん、私だって人間だよ?そりゃ一つや二つ物忘れしちゃうし。なによりもみんなでワイワイ楽しかったからね。吹っ飛んじゃった!』
「「うっ!!」」
笑顔を見せると、口元を押さえているものがちらほら。
「…なんでその時に言わなかったんだよい」
「俺たち信用されてなかったの?アンちゃん」
『違うよ!そんなことない!!あの時は…お酒も飲んでたし、旧友だったから楽しんでしまって。』
「ほぉ、お前さんの男かい?」
『それは断じて違う!』
「くくくっ…否定か。」
「そんなどこぞの馬の骨にくれてやるつもりはねぇよい!」
「ちょっと話がまた脱線してるんだけど?そもそもそんなに期間が空いた中、何故今場所が伝わってしまったのか。本題はそこでしょ?」
いつも冷静なハルタは鋭い質問をしてきた。
「まさかとは思うがよい…」
「密告…内通者…スパイか…」
空気がドンと一気に重くなった。家族の絆をなによりも重んじる白ひげの船でスパイが出るなんて…。
「…誰か分かったんだろい。」
『…とあるものが船を降りる少し前から何度もあるところへ電話をかけてた。調べるとそれは裏で出回っているドフラミンゴの番号だった。』
「誰なんだッ!」
『……今朝船を降りた元ナースのサリアだった。彼女は私の情報を売ったの』