【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第32章 島での裏切り
「フッフッフッ…うまくねぇのか?」
『顔をじろじろ見られたまま見れるほど、肝は座ってないの。』
「お前のために貸切にしたんだ。誰が見るってんだ?」
『あなたよ。』
「フッフッフッ連れないねぇ。仲良くしようぜ?」
『貴方、本体じゃないでしょう?ここにはとりあえず来てみただけって感じかな?』
「よく分かってんじゃねぇか。あの女が本当のことを話してるかの確認をしに来たつもりだったがよォ、まさか白ひげの船が本当に止まってるとは思いもしなかったぜ?」
『…ふーん。』
「食事が嫌ならベッドにでも付き合ってやるぞ?」
『お断り…と言うか外が騒がしいね。』
「おっと…動くなよ。見聞色使えんだろ?分かってるだろ?
自分の仲間が探し始めてるってことぐらいヨォ?」
『そりゃね…でどうしたいわけ?』
「お前がうちにこればいい…なら俺はお前の家族には一切手出ししねぇと誓おう。」
『…貴方のところに行けばみんなには手を出さない…ね』
「あぁ…俺ァこう見えても約束は守る男ダァ?」
ドフラミンゴは詰め寄ってくる。今にも顔がひっつきそうなほど。
「前から言ってんだろ?俺はお前が欲しい…ただそれだけだ。」
あと数ミリで触れると言った時、店を横切る火柱。
「連れて行かせねぇ…アンは俺のんだッ!!!」
『バレちゃったみたいよ?』
「クックックッ…あとちょっとだったんだがなぁ?」
顔が離れる…ドフラミンゴも少し炎に糸を焼かれたのか、手がなくなっていた。
「炎とはちと相性が悪りぃナァ?今日は引き下がるぜ?
その唇は俺のために開けとけよ?」
「ふざけんなッ!!火拳ッ!!!」
「フッフッフッ危ねぇ危ねぇ。俺だけじゃねぇ、海軍を抜けた今…どこの海賊もアンちゃんを狙ってやがる。老いぼれにいつまで守り抜けるか、見物だ。また、会いにくる、必ずな」
『勘違いしないで…私は白ひげを抜けるつもりもない。家族には何もさせない。戦って見せるわ…さようなら、ドフィ』
そういうと、糸が解けるようにするするとドフラミンゴの影は消えて行った。
「…ッアン!」
『エース…そんなに慌ててきてくれたの?』
「当たり前だッ!!帰るぞッ!!」
エースが持っている子電伝虫で探し回っていた隊員たちに連絡が取られ、皆モビーへと帰還した。
私を待っていたのは、みんなの怒りの目だった。
『…ごめんなさい』