【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第30章 家族を守るため
急に出てきたナースを庇い、イゾウが怪我をした。止めどなく溢れ出る血を自分のタイで押さえつけて止血をするも血は止まらない。
「くそッ…マルコはまだか!!」
敵を大まかな奴らを倒せたのかアンちゃんは走ってきてくれた。
「アンちゃんッ!!」
『イゾウは!?』
「医務室も手一杯で回れねぇそうで、でもこのままじゃイゾウが死んじまうッ!!マルコはまだ戻ってこねぇし!」
『……エースには内緒にしててくださいね。』
「なに言って…」
何を言ってんだと言葉を発しようと思ったその時だった。
アンちゃんの手から出てきた緑の水の玉。
「なにに使うんだ…」
『能力者には2つあるんです。1つは能力をただ自身の体のみに反映させる普通の能力者…そして2つ目は“覚醒”と言われて他人にも能力を影響させる力を得た能力者。』
水の玉をそのまま、イゾウの傷へ流し込むとみるみる傷は塞がっていく。
「傷が…」
『これで…大丈…ぶ…』
言葉を言い終わる前に前のめりになる身体…
「アンちゃんッ!!」
『大…丈夫…ハァ…ハァ…』
その息は先ほどのものとは比べ物にならないくらいに苦しそうだ。
「何を…どうなってんだッ」
『サッチ…大丈夫だから…ちょっと能力を使いすぎただけ。』
「…そうか?」
「エース隊長とマルコ隊長が戻ったぞォォ!!」
「こっちは…大丈夫そうだねぃ」
「楽勝だったなッ!」
「それが…イゾウ隊長がッ!!」
何もみていない隊員たちは焦った声で俺たちはイゾウの元へ呼んだ。
俺たちは焦って隊員の言う通りイゾウのそばへ向かった。
「イゾウッ…って何にも傷はねぇようだが。」
「そんなはずはッ、あんなに傷が深くッ!!」
イゾウの身体は服が破れ確かに刀で切られた跡がある。そばに置かれているタイもサッチのものだった。
「どうなってんだよい? サッチは?状況は?」
俺はすぐに察するものがあった。
「まさか…。アンはどこにいる!?」
「え、アンさんですか?そこらへんに…」
「アンちゃんなら、ここにいる。」
『私がどうかした?』
いつもと何も変わらないアンが少し離れたところからサッチと顔を出した。
「お前ッ、まさかッ!!」
『え、エース?』
俺はアンの肩を強く掴んでいた。