【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第30章 家族を守るため
島の影もまだ確認できず、暑い日が何日か続いた夜のこと。その静寂を破り、一つの掛け声と警笛が船内を駆け回った。
「敵襲ッーーーーーー!!!!」
見張りをしていた隊の掛け声とともに、船内全ての人が目を覚ました。1番隊は全ての隊を動かす役目もあるためにマルコと私は指示に走った。
『落ち着いて行動して!新人隊員には必ず指導者がつくこと!』
「ナースや非戦闘員はいつものところに避難しろい」
『分からないなら、自隊の隊長の元へ行きなさい!』
「アンッ、状況の確認もしろよい」
『わかって「今日は2番隊も戦闘担当だ!いくぜ!!」え、ちょっと待っ「「「「おおおぉ!!!!」」」」」…マルコ隊長ー』
「ったく、血の気の多い奴らだよい」
活気溢れた戦闘員たちはすぐに甲板に向かって行った。
「マルコ隊長!!」
「状況はどうなってんだい?」
「オリーブ大海賊団の船が5隻…たまたま航海中だったようで」
「もっと周り確認しろい。」
「すみません!!」
「おおよそ、600人はいそうです!」
「ち、2番隊だけじゃ足りねェか。16、1、4番隊も出ろよいッ!!」
呼ばれた戦闘員たちは、隊長を中心とし戦闘に混じって行った久々の戦闘、そして敵の数が結構多かったこともあり戦闘はずるずると長引きていた。
「まったくよい! キリがねぇ!!」
「隊長ッ!!さらに2隻追撃してきました!!!」
「俺がいくッ!!」
『ちょっ、エース!待ってッ!ッ邪魔!!』
エースがストライカーを下ろし、1人で敵船に乗り込んでいった。
「エースッ!!ッたく!! 俺もいくよい!!」
増えた2隻にはエースとマルコの2人、甲板で戦い続けるイゾウ、サッチ、そして他の隊員。これは流石にキリがない…みんなが神経を研ぎ澄ましていた時だった。
「くそッ!!キリがねェな」
「あいつら、楽しくしてんだろうなッ!!」
『そりゃねッ!!ッもう!!』
「死ねえェ!!」
『うるさいッ!』
止めどなく降り注ぐ敵の刃をなぎ払う。隊全体で戦うもどんどんと乗り込んできてさらに敵が増えていく。そんな時に船室へ続く扉が音を立てて開いた。
「うわァ〜こんな戦い始めてみた〜!エースさんはどこかなー?」