【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第30章 家族を守るため
宴を上から覗くと、何やらシンとして静かになっていた。
『どうかした?』
「お、お前…男って。」
「グララララッ、なんだ彼氏でも出来たのかァ?」
『え?そんなこと言ったっけ?』
「言ってだろ、さっき男だって!」
『あぁ…性別は男だよ?彼氏ではないけど。友達だよ?』
「「「なんだよ」」」
「心配したよい。」
「どこの馬の骨に捕まったのかと思った」
「焦る〜」
『私、部屋戻るねー。あ、親父様!シャン…じゃなくて赤髪が少し縄張りの島に入るからよろしくって言ってたよ。』
「そうかァ、わかった。」
「「「「シャン?赤髪??」」」」
みんなが何故か復唱していたが、放って部屋に戻った。
Side.Ace
「そういや前に言ってた求婚者ってやつにもシャンって名前あったな。」
「うォい!!どう言うことだ!!」
「アンに求婚!?」
「シャンって呼んでるのか…赤髪のこと。」
「ほォ、これは事件だねい」
「なにが?」
「お前も焦れよ!!アンが赤髪と付き合うかもしれねェんだぞ!!」
「はあぁぁ!?!?!」
「わかってなかったのか。」
「エースだしな。」
「なんだよ、それどう言うことだ!?俺に内緒で!?」
「しらねェよい…」
「グララ…いつまでも心配性の兄貴どもだァグララララッ」
宴の席の話はいつのまにかアンの結婚相手についてと言う話題に変わり、家族総出での話し合いになった。
よく朝、いつものように動いていると隊長たちが周りに張り付いている。
『なんでみんな近いの?』
「いや、意味はねェ」
『?』
行動するときは常にマルコかエースが…お昼や休憩時間には他の隊長が来る。
『ねェ、なんでこんなことになったの?』
「そりゃ、アンに余計な男をひっつけないためだろ?」
『こんな船の上で…ひっつかれると迷惑!!』
隠れていた隊長たちを指差して忠告をしておいた。
『これ以上、ひっついてくるなら親父様に頼んで遠征に行くから!』
ふんと身体を翻し、自分の仕事に戻って行った。
「ったく…こっちの気もしらねェで」
「とりあえず、様子見に変更だよい」
「護衛は島だけにしよう。」
「「「「了解」」」」
またもや集まる隊長たちに全員は呆れた顔で見ていたのだった。
「なによ…化け物のくせに」
その様子を見て呟くものあり。