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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第30章 家族を守るため


その夜は盛大に宴が催された。エースの隊長昇格と、デュースの副隊長昇格でみんなはどんちゃん騒ぎだった。

『デュース! 副隊長おめでとう!』
「あァ…ありがとな。あのエースをまた支えることになるとは思わなかったよ。」
『大変だと思うけどよろしく!』

カチャンとグラスを合わせる。その瞬間に聞こえる聴き馴染んだ虫の声。

「電伝虫か?」

自身のポケットに入っているものを出すと、目をぱっちりと開き鳴いていたのだ。電伝虫は通話相手の特徴を模写する。左目に3本の傷…

『なんでこんな時に。』
「なんだ、男か?」
『…そうね。男だよ。』

意味もわからずに返事を返したら、周りでグラスやジョッキの割れる音が聞こえた。振り返ることもせずに、メインマストに上る。
ガチャと受話器を持ち上げると、明るいあの声が聞こえた。

[お、やっと出たか!元気にしてるか?]
『…元気だよ。シャンは相変わらずなんだね。』
[俺か!そりゃ元気に決まってるだろ!今度な、また白ひげの島に用事があるからちょっと寄るぜーって伝えといてくれ。]
『悪さしたら沈めちゃうよ?』
[だーっはっはっは!そりゃねェよ!ただ食料を買うだけだ]
『また宴ばっかりして足りなくなったんでしょ。』
[よくわかってらァ!!]
[お頭ダメダメだな!]
[うるせェぞお前ら!]

受話器の向こうからはいつも明るい彼らの声が聞こえていた。

[なぁ…また遊びにこいよ。元気になれんぞ]
『…どうしてそんなこと。』
[声、聞きゃわかるよ…俺の嫁だぞ?]
『そこは否定する。うん、また今度ね。』
[敵同士って言っても友達だろ?いつでも待ってるからな]
『ありがとう…』
[どけ。アン…俺だ。]
『ベン?どうしたの?』
[小耳に聞いた話だが…ドフラミンゴがお前を狙ってるらしいな。]
『あぁ…その話。』
[知ってたのか。]
『うん、結構前に聞いた…』
[そうか…それに伴って裏の世界でお前の賞金額がついたみたいだから気を付けろ。いつ襲撃があるかわからんからな]
『うん、分かってる。私はみんなを守るよ』
[話してないのか…]
『そうだねー、誰も知らないんじゃない?最近島にも行ってないし。』
[気を付けろよ。]
『大丈夫だって…』

“じゃあな”と言われると電伝虫はまた目を閉じて眠りについた。

忘れてた…ドフラミンゴのこと。

『考えること多すぎ』
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