【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第28章 始まりはすぐそばに
「アンさっき渡した、新しい乗船員の紙もってるかよい?」
『はい、ここに。』
そこにはずらりと並べられた20名ほどの名前があった。
「アンちゃん、ナースの新人はこの子たち。よろしくしてあげてね。」
『リアス…えっと、名前は?』
「カローラ…」
「サリアです!」
「ハマナです。」
カローラは大人しく少しボーイッシュなイメージのある子で、サリアがザ・女の子のような子…ハマナは大人っぽく清楚な子だ。
『はーい、よろしくね。リアス…向こうで医療系のものがあるの。後でチェックしてくれる?』
「もちろん、この子たち案内したら向かうわね。」
『お願いします』
「アンさん」
『はーい、今行く』
呼ばれた方にバタバタとかけていった。その途中聞こえた声は誰のものかわからなかった。
「…気に入らない」
何かが起こりそうなそんな予感がした。しかし考えている暇はなくバタバタと準備に戻った。
「出航だァァァァ!!!」
親父様の一声で、すべてが整ったモビーディック号は島の港を離れ再び海へ戻った。
「おめェら、新しい仲間が増えた…グラララ。マルコ」
「あぁ…まず…ナースが3人増えるよい。あと戦闘員が48名…各隊に3人ずつ入れてるよい。」
あの紙…一枚だけじゃなかったんだ。結構な人数が入ってくるな。
「これからは家族だ…仲良くしろよい」
「「「おォォォォォォ」」」
みんなは喜んでいるが…私は素直に喜ぶことができなかった。あの時の嫌な感じが拭えないから。
「アンッ!」
『え? あ、ハルタ!ごめん何か話してた?』
「え〜、聞いてなかった?」
『ごめん…ちょっと考え事してて。』
「仕方ないなー、しっかり聞いてよ?」
ハルタが話しているのに何も入ってかなった。そんな時思い出したことがあった。
前にナース長に何故親父様と呼ばないのかと聞いたことがあった。彼女たちは親父様を船長と呼ぶ。その理由が知りたかったのだ。
ー私たちは家族であって家族ではないのよ。
ー私たちは船長の治療のために乗っている医療従事者。船長に何かあれば私たちは船を降りる。そして何もなかったかのように振る舞うの。船長は私たちを守るためにこうしたのよ。私たちは言うなれば他人と変わらないのよ。
「アン?疲れてるならもう眠りなよ。」
『そうするね…』